和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年07月18日(木)

漁協への補助金 不明朗な扱いは許されない

 白浜町の和歌山南漁協(本所・田辺市)に対する補助金を巡って新たな問題が発覚した。同漁協が町から補助を受けてクレーン車を購入したのに、それが漁協の名義になっておらず、さらに勝手に売却されていたのだ。


 漁協が町へ提出した実績報告書によると、漁協は2013年、町からの補助金261万円と、自ら支出した274万5千円を合わせ計535万5千円で車両を購入した。車両は同町椿の漁港に配置され、地元の組合員でつくる任意団体が使っていた。しかし、いつのまにかそれが売却され、団体も既に解散しているという。


 車両を誰が、いつ、いくらで売却したのかは明らかになっていないというが、売却後も漁協の資産台帳には記載されていた。


 さらに、町の補助金交付要綱では、補助金を受けて取得した財産を処分し、収入があった場合は、その「一部または全部を町に納付しなければならない」と定めているのに、それもなされていない。


 町からの補助金の使い方としては余りにもずさんであり、不明朗な点が多い。漁協の責任が問われるのも当然だ。


 この問題について、町は事実関係の報告を漁協に求めている。井澗誠町長も記者の質問に「一日も早く事実の解明を進めたい」などと話した。漁協側はただちに事実を明らかにして報告しなければならない。それが補助金を受けた者の最低限の義務である。


 和歌山南漁協を巡っては、今回の問題とは別に、白浜町の水産増殖事業費補助金と漁業振興助成金を不正に受給していたことも明らかになっている。


 にもかかわらず町は新年度予算案にも、この補助金と助成金を計上した。町は「問題は漁協と町に起因するものであり、漁業者が安心できるようにする必要があると考えた」などと説明。再発防止に向けた課題は確実に解消できる段階にあると判断したからという。


 信じられない言い分だ。前年度までの不正が発覚し、本年度は補助金が使えなかった実態をどう理解しているのか。


 漁協は、町が「不正」と認定した17年度分までの補助金約574万円を自主的に返納している。町も、事業や実績の確認方法などを見直し、組合の改善協議にも取り組むという。その改善策が具体化してから後に、次の予算案を計上しても遅くはないのではないか。問題はまだ解決していない。


 井澗町長は、町議会の予算審議に際し「慎重に運用していく。しっかりと説明責任を果たしていきたい」と述べた。その言葉通りの行動が求められる。


 一方、町議会は25日、この補助金を含む新年度予算案を「町民の信頼回復を果たし、適正な予算執行に取り組まれたい」とする付帯決議を可決したうえで認めた。


 この決議を、町は重く受け止めなければならない。議会の背後には住民がいる。公金を巡る不明朗な扱いを放置したままでは、町長の責任問題になる。 (N)