和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年09月20日(金)

選択伐採で枯死防ぐ ウバメガシの食害対策

【ウバメガシの萌芽を食べに来たシカ(和歌山県すさみ町で)】
【ウバメガシの萌芽を食べに来たシカ(和歌山県すさみ町で)】
 紀州備長炭の原木ウバメガシの萌芽(ほうが)株がシカの食害に遭って枯死する問題で、和歌山県林業試験場(上富田町)は、幹を選抜して伐採する「択伐」で枯死を防げることを突き止めた。ただ、枯死を免れても萌芽が食べられて成長が進まないため、試験場は「今後、被害地域の択伐株の更新技術の開発が必要」と話している。


 一般的にウバメガシ林は、伐採と萌芽による更新を繰り返しながら循環利用される。しかし、林内すべての木を伐採する「皆伐」の場合、シカの生息密度が高い地域では、萌芽が出ても繰り返し食害を受けて高い確率で株が枯死してしまう。一方、択伐の場合、萌芽が繰り返し食べられても株が枯死することはなかった。


 試験場が旧田辺市とすさみ町、串本町で萌芽株の食害を調査したところ、旧田辺市に比べ、すさみ町では約7倍、串本町では約5倍の被害レベルだった。さらに、枯死率の比較調査を串本町の2カ所で行ったところ、伐採後約2年の調査地は択抜で枯死は見られなかったが、皆伐では枯死率が75%に達した。皆伐でさらに年数がたつと全滅する恐れもあるという。