和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年07月23日(火)

EY調査、対応力のあるCEOはAIへの投資を優先、続いて脱炭素化

- 厳しい経済環境にもかかわらず、CEOの3人に2人は、収益と利益の成長について楽観的
- テクノロジー、データ、サイバーセキュリティへの投資が今後12カ月間のCEOのアジェンダを独占
- サステナビリティ(持続可能性)への配慮は企業の長期的な意思決定に深く根ざしてきている

EYは、最新のM&Aに関する調査レポート「EY CEO Outlook Pulse調査」(以下、「本調査」)を発表しました。世界21カ国1,200人(日本70人) のCEOと300人の機関投資家(日本を含めたアジア太平洋地域から100人)を対象に四半期ごとに行われる本調査は、急速に進化する世界経済においてCEOが優先すべき課題に関するインサイトを提供しています。

調査によるとCEOは、当面の見通しと、将来の成長への投資のための資本を創出するために今取るべき行動について、希望を感じています。しかし、厳しい経済環境では、短期的なリターンが引き続き重視されています。回答者は、機関投資家や政府とより効果的に連携することで、脱炭素化と新たな収益源の創出に関する長期的な目標をより早く達成できると考えています。

また、CEOの60%が自社の収益成長についてより楽観的で、65%が事業の収益性についてより肯定的に捉えています。CEOは、自社の見通しとビジネス環境全般について、12カ月前とほぼ変わらず、上振れの可能性を秘めていると回答しています。

CEOと投資家、今後12カ月間の持続可能性への注力についての意見がわかれる
調査対象の4分の3以上が、持続可能性への取り組みを加速させるために、より広範な社会的要請に応えることが優先事項であり、世界のCEOの半数以上が、持続可能性の問題を12カ月前よりも優先事項と認識しています。しかし、厳しい経済環境の中、4人に1人近くが持続可能性の優先順位を下げたと回答しました。その内訳は、18%は財務状況、5%は取締役会の他の優先事項に重点を置くためと回答しています。投資家は環境・社会・ガバナンス(ESG)問題から手を引いており、機関投資家の3分の1以上が、投資ポートフォリオにおける持続可能性の優先順位は12カ月前よりも低下していると回答しています。

EY Global Vice Chair – Strategy and TransactionsのAndrea Guerzoniは次のように述べています。
「持続可能性目標の迅速な達成のための費用と短期的な財務リターンにおける優先度の不均衡は、場当たり的かもしれません。多くのCEOが脱炭素化目標の加速や達成に引き続きコミットしており、事業の見通しについて前向きな姿勢を維持していることは心強いことですが、CEOの4人に1人近くが持続可能性をビジネスアジェンダの下位に据えているという事実は、このトピックの方向性を企業に委ねる人々にとって残念なことです。
持続可能性目標の達成は、特にコスト重視の厳しい市場では困難な場合がありますが、持続可能な未来に向けた推進力は、財務上およびビジネス上の必須事項であるだけでなく、企業全体で共有されるコミットメントです」

EY Japan ストラテジー・アンド・トランザクション リーダー 梅村 秀和(うめむら ひでかず)のコメント:
「日本では、71%のCEOが自社の収益成長について、また、70%のCEOが事業の収益性についてより肯定的に捉えています。持続可能性に関する質問においては、日本では94%ものCEOがその取り組みを加速させるために、より広範な社会的要請に応えることが優先事項であると回答し、世界のCEOの77%を大きく超えました。さらに、持続可能性の優先順位を下げたと回答したCEOは世界で23%だったのに対し、日本では6%にとどまりました。2050年までにカーボンニュートラルを目指す日本政府の取り組みや、製造業におけるグローバル競争の中で消費者が持続可能性への取り組みを求めている状況、異常気象や災害に対する日本の消費者の高い関心などに企業が対応している結果と考えられます」

 
テクノロジーとAIの戦略的最優先事項
成長と生産性を向上させるための人工知能(AI)を含むテクノロジーへの投資は、CEOの半数近くにとって今後12カ月間の最優先事項です。また、データ管理とサイバーセキュリティの強化とビジネスのあらゆる側面におけるエンドツーエンドのコスト管理も、企業にとって重要な戦略的優先事項であり続けています。

Guerzoniは、「多くの業界でAIが急速に成長し、サイバーリスクへの懸念が高まり、経済情勢が不透明であることを考えると、新興技術への投資の増加は驚くべきことではありません。CEOは、短期的なプレッシャーに対する防御的な行動と、長期的な緊急課題のバランスを取っています。最も説得力のある即時の行動は、成長と生産性を向上させるためのテクノロジーと、サイバー脅威から身を守るためのデータ管理とサイバーセキュリティの強化に関するものです。インフレや投入コストなどの経済状況が緩和されたにもかかわらず、エンドツーエンドの事業コストの管理に引き続き重点が置かれており、投資家の重要な焦点となっています」と述べています。

梅村のコメント:
「日本では、世界全体よりも6ポイント高い53%のCEOがAIを含むテクノロジーへの投資を今後12カ月間の最優先事項と回答しました。同様に、AIを含むテクノロジーへの投資を今後3年間の最優先事項と回答した日本のCEOは53%と、世界のCEOの34%を大きく上回り、日本のCEOのテクノロジーへの関心、デジタルトランスフォーメーションへの投資意欲が表れています。少子高齢化による労働力不足に対応するための業務効率化や、海外企業に対する競争力強化など日本企業の喫緊課題や、米国IT企業による日本への巨額投資などが背景にあると考えられます」

CEOはM&Aに前向き
2023年のディール環境は低迷しましたが、CEOや機関投資家は、M&A(合併・買収)について前向きな見通しを示しています。今後12カ月間に、IPO、ダイベストメント(事業再編・売却)、スピンオフ、第三者との合弁事業や戦略的提携、M&Aなど、取引機会を追求するCEOが増え、ディールへの強い意欲がうかがえます。

本調査では、買収を進める原動力として、『技術の獲得、新しい生産能力、革新的なスタートアップの獲得』、『市場シェアの拡大』、『新しい地域へ参入』が上位3つとして際立っていることがわかりました。

Guerzoniは次のように述べています。「CEOは、短期的な優先事項に取り組むための重要な手段としてM&Aに注目しています。また、AIがもたらす短期的な効率性および中期的な生産性の向上の先を見据える必要があります。3年後の優先事項の1つは、収益の拡大です。しかし、新しいテクノロジーやAIが、新しい製品やサービス、または新たな市場への参入を通じて成長を加速させる可能性を、今すぐ検討する必要があります。
また、2024年は、2023年よりも世界の資金調達市場が開放されているため、買収者は資金調達がしやすくなります。しかし、この世界的な選挙の周期により、重要な投票日が近づくと、再び市場が急速に引き締まる可能性があります。また、売却を検討している企業は、取引所での新株発行や、競争力のある買い手としてプライベート・エクイティ(PE)の選択肢もあります。しかし、PEがM&Aの主要プレーヤーとして復帰する時期は、まだわかりません。より強固で持続的なリターンを得るには、金融政策の道筋を確定する必要があるかもしれません」

梅村のコメント:
「日本においても、今後12カ月間にディールを追求するCEOの強い意欲が表れました。特に、IPO、ダイベストメント、スピンオフについては、世界全体より6ポイント高い77%のCEOが積極的に機会を求めています。また、買収の主な目的の上位3つは、『市場シェアの拡大』、『技術の獲得、新しい生産能力、革新的なスタートアップの獲得』、『サプライチェーンの確保』でした。世界でのトップ3と異なり、グローバル規模での複雑なサプライチェーンを有する製造業の多い日本においては、サプライチェーンの確保もCEOの高い関心事の1つであることがわかりました。この傾向は日本だけでなくアジア太平洋地域全体においても見られ、コロナ禍以降も複雑な国際情勢を背景に、サプライチェーンの再構築に関心を寄せるCEOが少なくないことが伺えます」

レポート全文は、以下をご覧ください。 ey.com/CEOOutlook

※本ニュースリリースは、2024年5月1日(現地時間)にEYが発表したニュースリリースに日本の視点を加えたものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先されます。

英語版ニュースリリース:Resilient CEOs prioritize AI investments now and decarbonization next

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[2024年4月期EY CEO Outlook Pulse調査について]
2024年3月から4月、フィナンシャル・タイムズ・グループのリサーチおよびコンテンツマーケティングの専門部門であるFT Longitude社は、EYの委託を受けて、2つの比較調査を実施しました。
世界21カ国1,200名の大手企業CEOを対象とした匿名のオンライン調査で、世界の主要企業に影響を与える主なトレンドと開発、および将来の成長と長期的な価値創造に対するビジネスリーダーの期待に関する貴重なインサイトを提供することを目的としています。回答者は21カ国(ブラジル、カナダ、メキシコ、米国、ベルギー、ルクセンブルク、オランダ、フランス、ドイツ、イタリア、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、英国、オーストラリア、中国、インド、日本、シンガポール、韓国)と5つの産業(消費者・健康、金融サービス、工業・エネルギー、インフラ、テクノロジー、メディア、通信)でした。調査対象企業の年間世界売上高は、5億米ドル未満(20%)、5億米ドルから9億9990万米ドル(20%)、10億米ドルから49億米ドル(30%)、50億米ドル以上(30%)でした。
300人の機関投資家を対象とした匿名のオンライン調査では、現在のマクロ経済環境と投資の意思決定における持続可能性要因の役割に関する回答者グループの独自のインサイトが示されています。回答者は21カ国(ブラジル、カナダ、メキシコ、米国、ベルギー、ルクセンブルク、オランダ、フランス、ドイツ、イタリア、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、英国、オーストラリア、中国、インド、日本、シンガポール、韓国)を代表しています。調査対象機関の運用資産(AUM)は、10億米ドル未満(20%)、10億米ドルから9.99億米ドル(40%)、100億米ドルから49.99億米ドル(20%)、500億米ドル以上(20%)でした。



プレスリリース詳細へ https://kyodonewsprwire.jp/release/202406142180
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