和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年09月18日(水)

県議への注文 新時代の議会活動を

 県議選が7日に投開票され、無投票区を含む14選挙区で計42人の新議員が誕生した。


 地方分権が進む中、知事だけではなく、議会の役割がより大きくなっている。希望の持てる社会を築くため、山積する課題の解決に取り組んでもらいたい。


 まずは議会活動の強化である。地方自治は、首長と議員がいずれも直接選挙で選ばれる「二元代表制」であり、首長と議会が対等の立場で、けん制・協力し合って政治をより良い方向に導く役割を担っている。


 本紙の候補者アンケートでは、大半が仁坂県政を高く評価した。「県庁チームの名監督」と持ち上げる声まであった。評価するのは良い。しかし、知事の提案が否決も修正もされず、99%原案通り可決されていく現状はどうか。議会が執行部の追認機関にとどまっては、存在意義が問われる。


 議会は十分に討議して議会の意思をまとめ、知事と緊張感を持って政策を競うことが必要だ。


 議員と県民の関係性も変えていきたい。現状では、住民が関与できる余地がほとんどないと思われており、これが政治への無関心や投票率の低迷につながっている。


 改善のヒントはある。例えば、インターネットを通じて不特定多数の個人から開発資金を募り、その対価として完成品を送る「購入型クラウドファンディング」の広がりである。


 企業側は「本物の消費者」に近い意見を集めてモノ作りが進められ、プロジェクトの経過を報告することでファンも獲得できる。支援者は世に出ていない製品を「先物買い」でき、プロジェクトに携わるわくわく感も味わえる。


 同じような関係を議員と県民の間で構築できないか。例えば「地域をよくする方法」を県民一人一人から引き出す仕組みをつくってはどうか。


 議員の役割は県民の声を聞き、県政に反映することである。そこでは課題と論点を明確にし、優先順位を付けて解決する道筋を示す「編集力」「実行力」が問われる。住民と対話し、実績を報告する「説明責任」も求められる。


 情報公開も欠かせない。候補者アンケートでは、政務活動費の使途について、収支報告書だけでなく、領収書や活動報告もネット上で公開すべきだという声が大半を占めた。議会活動を県民に伝える重要性も認めているなら、もっと積極的に公開できるはずだ。


 何かと批判の多い政務活動費も使途が明確に示されれば、議員活動を評価する指針になる。海外視察の報告書も同様だ。現状では政務活動費も視察も実態把握が難しい。そうした状況では「不要」と判断されても仕方ない。


 議員活動を公開していけば、記録は蓄積され、議員の能力が可視化される。選挙でも実行力のある議員が選ばれ、口先だけの議員は淘汰(とうた)されるだろう。


 県民もまた、より議員の活動を注視し、ともに課題解決に取り組む姿勢が求められる。(K)