和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月09日(月)

「こんな学校 楽しそう」 うつほの杜が体験授業、和歌山県田辺市

世界で友達をつくるにはどうするかについて考える子どもたち(和歌山県田辺市中辺路町川合で)
世界で友達をつくるにはどうするかについて考える子どもたち(和歌山県田辺市中辺路町川合で)
 和歌山県田辺市中辺路町川合で私立小中学校設立を目指す「うつほの杜学園設立準備会」は6月29日、校舎となる旧二川小学校でオープンスクールを開いた。県内外の45家族が体験授業やシンポジウムを通じ、一足早く「未来の学校」に触れた。参加者からは「こんな学校があったら楽しそう」といった声が上がった。


 学園は熊野古道をはじめとする豊かな文化や歴史、自然を生かし、グローカル(地域性を考慮しながら、地球規模の視点で考え、行動する)リーダーを育成する学校。来年4月の開校を目指し、県に学校法人設置の認可を申請している。

 体験授業では「動物」「世界」「自然」を題材にどうすれば「つながる」ことができるかを集団での対話やフィールドワークを通じ、考えた。

 「世界」の授業では「友達とは何か」から始まり、「どうすれば世界中の人と友達になれるか」について話し合った。「一緒に遊ぶ」「外国語で話す」「『友達になろう』と言う」などの意見があり、それぞれ絵で表現して発表した。

 小学1年生の長男と保育園児の長女を連れて参加した横浜市の女性(41)は「ワーケーションで和歌山を訪れ、学園を知った。自然豊かな環境は都会では得られない。近くにあれば、通わせたい」と体験を楽しんでいた。

 6歳、4歳、2歳の3人の子どもがいるみなべ町の女性(31)は「探究心を刺激するような教育に興味がある。通わせるのは難しいが、体験で子どもたちが刺激を受けてくれればうれしい」と話した。

■学校と地域づくり

 シンポジウムでは学園の仙石恭子代表理事と市川顕校長、真砂充敏市長が、これからの学校と地域づくりについて話した。

 仙石代表は「世界とつながる学びの聖地にしたい。旅で熊野を訪れる人にも学びの体験ができ、田辺でもう1泊するといったことができればいい」と提案した。

 真砂市長は「人口減少が進む中、教育は関係人口の広がりが大きい。学びは旅の魅力になる」、市川校長は「学校ができ、移住者が来る。いろいろな需要が可視化され、地域でさまざまな事業が生まれればいい」などと話した。

 オープンスクールは30日にもあった。8、9月にも授業を体験できるサタデースクールと学校説明会を予定している。