和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年12月12日(木)

132種展示の「図鑑水槽」 寄付金を活用、和歌山県すさみ町のエビとカニの水族館

132種の小型甲殻類を展示した「図鑑水槽」(和歌山県すさみ町江住で)
132種の小型甲殻類を展示した「図鑑水槽」(和歌山県すさみ町江住で)
 和歌山県すさみ町江住にある町立エビとカニの水族館に、生物の多様性が学べる「図鑑水槽」が登場した。クラウドファンディング(CF)で集まった寄付金を活用して設置。水族館スタッフが地元で採集した小型甲殻類を中心に132種を展示している。


 これまで一つの水槽内に複数種を展示していたが、小さくて観察しづらい種もあったことから、特注の木製水槽台を使い、1種類ずつ観察できるアクリル水槽(横幅と高さ20センチ、奥行き28センチ)132基を壁一面に配置した。資金は3~5月にCFで集めた。全国各地の水族館ファン約200人から、計約420万円の寄付金が寄せられた。

 水槽内では、カルパガザミ、ビロードツェンナーガニ、ホシマンジュウガニ、オオアカハラ、トゲアシヒライソガニモドキなどを飼育している。展示している種の半分は、全国でもこの水族館でしか展示していないという。

 水族館では、これまで約150種約千匹の甲殻類を展示していたが、図鑑水槽を設置したことで、約200種約1200匹にまで増えた。

 平井厚志館長(41)は「生物の多様性を体感してもらえる水槽を設置したいとずっと思っていた。身近に生息しているが、あまり知られていない甲殻類はまだまだいるが、国内でこれだけの甲殻類が見られる水族館はないと思う」と話した。

 開館時間は午前9時~午後5時(最終入館午後4時20分)。年中無休。問い合わせは水族館(0739・58・8007)へ。