和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年10月04日(金)

音楽聴きながら交流 木製スピーカー施設完成、和歌山県白浜

木製スピーカーで音楽を楽しめる施設「紀州ウッドスピーカープロジェクト」(和歌山県白浜町堅田で)
木製スピーカーで音楽を楽しめる施設「紀州ウッドスピーカープロジェクト」(和歌山県白浜町堅田で)
 和歌山県白浜町堅田に、木製スピーカーで音楽を楽しめる交流施設が完成した。施設を造った建設会社社長の山本敏雄さん(78)=田辺市神島台=と元会社社長の早出正さん(77)=白浜町=は「みんなに気軽に使ってほしい」と話している。


 山本さんと早出さんは、3年ほど前から田辺市龍神村産のヒノキやスギを使って木製スピーカーを作っている。音楽を通して地域住民に交流を深めてもらうとともに、取り組んできたスピーカー開発の進展状況を知ってもらうことを目的に元店舗を改装し、この施設を完成させた。

 施設の名前はコミュニケーションプラザ「紀州ウッドスピーカープロジェクト」。今後、この施設で音楽鑑賞会を開く計画もしているという。

 精密機器メーカーで働いていた早出さんは、音楽鑑賞が趣味で、自宅に4千枚のレコードを持っている。紀南地域の山でスギやヒノキが伐採されたままになっているのを見て「スピーカーの振動板にこの木を利用できないか」と思った。

 木を振動板にするために薄く削る技術が必要だったことから、知人に山本さんを紹介してもらった。その時以来、二人三脚で木製スピーカーの開発を続けている。

 当初に作ったスピーカーは、中音域のみ木の振動板を使っていたが、最新型は高音、中音、低音と全ての音域で使用。振動板を楽器チェロの形にし、フォルテマークの穴を開けることで、低音がきれいに出るようになったという。「音楽」を聴くことに特化したスピーカーで、生の演奏に近い音が楽しめると自信を持っている。

 施設の使用料は無料。利用できる時間は火~土曜の午後1時半~5時。これまで開発してきた全ての木製スピーカーを設置しており、聞き比べることもできる。レコードやCDを約400枚置いているが、自分のレコードなどを持ち込むこともできる。

 山本さんは「食べ物や飲み物の持ち込みも自由。みんなで音楽を聴きながら楽しく過ごしてもらえればうれしい」と言い、早出さんは「まだ木製スピーカーの音を聴いたことがない人は、ぜひ一度聴いてみてほしい」と多くの利用を呼びかけている。

 施設利用に関する問い合わせは、山本さん(090・8984・8766)か早出さん(080・3442・4285)へ。