和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年02月14日(金)

経営健全化へ業務見直し 23年度は5億5千万円赤字、白浜はまゆう病院、和歌山県

公益財団法人白浜医療福祉財団が運営する「白浜はまゆう病院」(和歌山県白浜町で)
公益財団法人白浜医療福祉財団が運営する「白浜はまゆう病院」(和歌山県白浜町で)
 和歌山県白浜町にある「白浜はまゆう病院」は、看護師不足による稼働病床数の制限などが原因で、2023年度決算で約5億5千万円の赤字だった。本年度も上半期決算額で約3億2千万円の赤字となっている。これらを受け、町は経営コンサルタントに経営健全化方針の策定業務を委託する。22日の町議会臨時会にコンサルタント委託料約260万円を提出し、可決された。


 はまゆう病院は、公益財団法人白浜医療福祉財団(理事長・大江康弘白浜町長)が運営している第三セクター。町などによると、18年度は約2400万円の黒字だったが、新型コロナの影響で翌年度から病床稼働率が減少し、赤字となった。

 看護師は慢性的に不足しており、現在は期限付きフリーランスの看護師30人を含む約150人体制で258床に対応している。

 コンサルタントの調査項目は、経営状況や財政的なリスクの現状とこれまでの地方公共団体の関与や、抜本的改革を含む取り組みの検討など5項目。約6カ月で調査を終え、大江町長に報告する。

 財団は、町など7団体と医師などの寄付により、1993年2月に「財団法人」として設立された。2012年4月に「公益財団法人」に移行。西富田クリニック(白浜町才野)、鮎川診療所(田辺市鮎川)、日置診療所(白浜町日置)、三舞診療所(白浜町安居)なども運営している。

 はまゆう病院は1994年2月に開院。診療科は、内科、外科、整形外科、リウマチ科、小児科など18科。

 大江町長は「これ以上赤字が続くと町民に負担がかかるようになる可能性があるので、この段階で見直すべきと判断した」と述べた。

■非課税世帯に給付金 物価高騰で支援

 この日の臨時会では、国の物価高騰対策の臨時交付金事業も可決された。

 本年度住民税非課税世帯1世帯当たり3万円を給付し、その世帯に18歳以下の子どもがいる場合は1人当たり2万円を加算給付する。給付世帯は約3600世帯で、加算給付は300人の見込み。事業費は約1億2千万円。3月中に給付を開始する予定。

 交付金事業にはそのほか、プレミアム商品券発行(4500万円)と宿泊割引クーポン配布など(3千万円)も盛り込まれた。