4年連続で過去最多 家族らによる高齢者虐待、23年度の和歌山県
和歌山県は2023年度中に、高齢者が家族ら養護者から虐待を受けたと認められた件数は214件(前年度比27件増)、市町村への相談・通報が409件(50件増)、虐待を受けた人数が220人(14人増)だったと発表した。いずれも4年連続で最多を更新。高齢化に伴い老老介護が進んだことが一因とみられる。
調査は06年度に開始。相談・通報や虐待件数、虐待を受けた人数はコロナ禍が始まった19年度ごろから増加傾向にある。県は要因として、高齢者虐待への理解が深まり、相談・通報件数が増えたほか、老老介護が進み介護負担が増していることなどが考えられるとしている。
虐待したのは息子が87人と最多で、次いで夫61人、娘33人、妻24人、兄弟姉妹9人など。年代別では50代が53人と最多だったが、次いで70代45人、60代40人、80代39人の順に多く、50~80代が8割近くを占める。過去と比べても年代が上昇傾向にあるという。
一方、虐待を受けた人の性別は女性が7割以上の162人で、男性は58人。年代別では80代前半の55人、70代後半の53人が多かった。
虐待の種別(重複あり)でみると殴る蹴るなどの「身体的」が152件、無視や暴言などの「心理的」が66件、必要な金銭を与えない、高齢者の金銭を使い込むなどの「経済的」が35件、「介護等放棄」が20件。「性的」はなかった。
深刻度では、4段階のうち最重度に当たる、生命の危険や心身への重篤な影響、生活の危機的状況とされる「4」は5人、次に重く、重大な健康被害や生活の継続に重大な支障が生じている「3」は36人だった。
市町村は、虐待されたと認めたうちの77人を、転居や入院、緊急一時保護などで虐待した人と分離させた。
■施設での虐待も増加
23年度の養介護施設従事者による虐待の認定数は17件、相談・通報件数は47件で、これまで最多だった20年度の10件、34件をいずれも上回った。虐待を受けた人数は26人で、過去3番目の多さだった。
虐待の種別(重複あり)は最多が「身体的」の17人。県によると、部屋の外から鍵をかける▽手足を自由に動かせない服を着用させる▽転倒防止としてベッドを柵で囲う▽車いす使用時にベルトを着けるなど、必要な手続きを踏まずに高齢者の行動の自由を奪うケースが目立った。職員の認識や人手不足などが要因と考えられるという。他は「心理的」5人、「性的」3人、「経済的」2人で、「介護等放棄」はなかった。
虐待を受けた人は女性が8割の21人、男性は5人だった。
虐待があった施設は、特別養護老人ホーム(6件)や有料老人ホーム(5件)など。虐待した人の職種は介護職9人、看護職4人などで、管理職や施設長、経営者・開設者もいた。
市町村や県は、施設や従事者に指導や改善計画提出依頼などの措置を取った。
調査は06年度に開始。相談・通報や虐待件数、虐待を受けた人数はコロナ禍が始まった19年度ごろから増加傾向にある。県は要因として、高齢者虐待への理解が深まり、相談・通報件数が増えたほか、老老介護が進み介護負担が増していることなどが考えられるとしている。
虐待したのは息子が87人と最多で、次いで夫61人、娘33人、妻24人、兄弟姉妹9人など。年代別では50代が53人と最多だったが、次いで70代45人、60代40人、80代39人の順に多く、50~80代が8割近くを占める。過去と比べても年代が上昇傾向にあるという。
一方、虐待を受けた人の性別は女性が7割以上の162人で、男性は58人。年代別では80代前半の55人、70代後半の53人が多かった。
虐待の種別(重複あり)でみると殴る蹴るなどの「身体的」が152件、無視や暴言などの「心理的」が66件、必要な金銭を与えない、高齢者の金銭を使い込むなどの「経済的」が35件、「介護等放棄」が20件。「性的」はなかった。
深刻度では、4段階のうち最重度に当たる、生命の危険や心身への重篤な影響、生活の危機的状況とされる「4」は5人、次に重く、重大な健康被害や生活の継続に重大な支障が生じている「3」は36人だった。
市町村は、虐待されたと認めたうちの77人を、転居や入院、緊急一時保護などで虐待した人と分離させた。
■施設での虐待も増加
23年度の養介護施設従事者による虐待の認定数は17件、相談・通報件数は47件で、これまで最多だった20年度の10件、34件をいずれも上回った。虐待を受けた人数は26人で、過去3番目の多さだった。
虐待の種別(重複あり)は最多が「身体的」の17人。県によると、部屋の外から鍵をかける▽手足を自由に動かせない服を着用させる▽転倒防止としてベッドを柵で囲う▽車いす使用時にベルトを着けるなど、必要な手続きを踏まずに高齢者の行動の自由を奪うケースが目立った。職員の認識や人手不足などが要因と考えられるという。他は「心理的」5人、「性的」3人、「経済的」2人で、「介護等放棄」はなかった。
虐待を受けた人は女性が8割の21人、男性は5人だった。
虐待があった施設は、特別養護老人ホーム(6件)や有料老人ホーム(5件)など。虐待した人の職種は介護職9人、看護職4人などで、管理職や施設長、経営者・開設者もいた。
市町村や県は、施設や従事者に指導や改善計画提出依頼などの措置を取った。