和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年02月24日(月)

鳥獣害、地域挙げ防ごう 田辺で対策研修会

研修会で専門家による農作物の鳥獣被害防止対策についての講演を聴く農家やJA、行政関係者ら(4日、和歌山県田辺市秋津町で)
研修会で専門家による農作物の鳥獣被害防止対策についての講演を聴く農家やJA、行政関係者ら(4日、和歌山県田辺市秋津町で)
 農作物の鳥獣被害防止対策を考える研修会(和歌山県の田辺市鳥獣害対策協議会、西牟婁地域鳥獣被害対策本部主催)が4日、田辺市秋津町のJA紀南中央購買センターであった。野生鳥獣の生態や効率的な捕獲を研究する専門家が講演し、防護と捕獲による地域挙げての対策の必要性を訴えた。

 対策本部によると、県内で発生する農作物の鳥獣被害額は2010年以降、3億円超で推移。そのうち田辺・西牟婁は約4千万円で、その約4割がニホンザルによる被害。この日の研修会には、田辺・西牟婁の農家や猟友会、JA、行政の関係者ら約40人が参加した。

 講演した野生鳥獣対策連携センター(兵庫県丹波市)の専務、阿部豪さんは、被害が深刻なニホンザルの生態と効果的な対策について説明した。

 条件が整えば数はすごく増え、集団行動のため被害が集中的に起こり、旬でおいしい作物を好み、危険を察知する能力があるといった特徴を紹介し「放っておくと行動はエスカレートする」と強調した。

 対策の基本として、柵をする▽捕獲によって数を減らす▽集落の環境整備をする―の3点を挙げた。防護柵で確実に侵入を防ぎ、集落からいなくなるまで追い払うことの重要性を示した。その場合、集落ぐるみで組織的に取り組むことが効果的と指摘した。

 効果的な捕獲方法については、わなの設置場所が重要で「通る場所に置く必要がある。行動範囲は狭く、確実に見つけないと捕まえられない」として、山に近く、開けた見通しの良い場所がよいことを示した。

 捕獲に使う餌は被害作物が効果的で、時期は被害作物の収穫が終了してすぐなど、農地に作物が少ない状況がよいことを挙げた。捕獲には、行動を予測して先回りするほか、わなを餌場と認識させて誘い込む方法があることを説明し、「場所を適切に選定してうまくやれば、集団ごと捕ることができる。それには地域の協力が大事だ」と訴えた。