和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年02月24日(月)

具体的な取り組み始動 みなべ町、農家の労働力対策会議

産地の労働力確保に向けた取り組みについて話し合う町内の農業関係者(和歌山県みなべ町芝で)
産地の労働力確保に向けた取り組みについて話し合う町内の農業関係者(和歌山県みなべ町芝で)
 和歌山県みなべ町内の農業関係団体や行政、JAでつくる「労働力対策会議」は、梅の収穫期を中心とした労働力不足の解消を目指し、検討を進めてきた。今後チームに分かれて、雇用する農家の心得や働く人に梅の仕事内容を分かりやすく説明するパンフレットの作成、住む場所の確保に向けた取り組みなど三つのプロジェクトを進めることを決めた。

 近年、梅収穫の際に人手を集めることが難しくなっていることや、後継者不足が課題となっている。2018年から、町内の農業者団体が農家の労働力に関するアンケートをしたり、ミカン産地である愛媛県の取り組みを視察したりし、労働力対策会議を立ち上げて、課題解決に取り組んでいる。

 会議を重ね、現状について意見交換し、今後の取り組みのアイデアを出し合う中、このほど開いた会議で「パンフレット作成」「研修会」「住まい」の三つのプロジェクトチームに分かれて活動を進めていくことにまとまった。

 パンフレットは、労働者の立場に立って雇用環境を整える意識を持とうと、まずは「雇用者心得」のようなパンフレットを4月中に作成したいという。さらに、初めて梅の収穫作業をする人にも分かりやすく仕事内容を説明するパンフレットと、農家向けに雇用者を探すにはどんな方法があるかを紹介するパンフレットも作る。

 研修会は、労務や労災といった意識啓発や周知を目的に開きたいと考えている。

 住まいは、短期と長期に分けて取り組む。短期としては、空き家活用のためのリフォーム補助や、宿泊施設を利用する上での宿泊補助ができないか検討する。長期としては、例えば廃校舎の活用など公共の宿泊施設を設けたり、普段は一般のキャンプ客が利用し、繁忙期は梅の収穫に来るアルバイトの人が泊まることができるキャンプ場ができないかなどを検討する。

 三つのプロジェクトに加え、雇用相談窓口を設けたり、耕作放棄地が増えてきているのを受け、農地を貸したい人と借りたい人を明確化してマッチングしたり、大学生がUターンして地元農家の後を継いだ場合の給付型奨学金を検討したりといった取り組みも考えているという。

 紀州みなべ梅干生産者協議会の山本康雄会長は「まずは足元を固めたいと考え、雇用者となる農家の意識を変えていこうというところから取り組むに至った。続いて受け入れのインフラ整備に取り組んでいきたい。ようやくスタートラインに立った。産地の未来に向けての準備で、これからいかに広げていくかだ」と話している。