和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年05月26日(日)

「移住労働者」

 建設業、介護施設などの極端な人手不足を解消しようと、外国人労働者の受け入れが本格的に始まる。少子高齢化が止まらず、外国人頼みが進むが、この面では後進国の日本だけに、課題は山積している▼入国希望者は多いようだ。特にフィリピン、中国、ベトナムなどアジア諸国。「日本へ行けば御殿が建つ」という現地の期待の声を伝えた報道もあった。戦前の日本人の外国移民心理にも似ている▼真面目に働き、日本の文化に溶け込もうというのなら、永住権への道を求め、私たちの真の一員になってほしい。そのためにも「低賃金の使い捨て」という悪徳雇用主は許されない▼現地説明会の人気も上々のようだが、既に始まった「特定技能試験」では双方の準備不足もあり、定着に時間がかかりそうだ。何よりも日本語の習得は絶対条件だろう。現地の悪徳ブローカーが介在したり、日本国内で乱立している日本語学校にも問題がありそうだ▼政府は「移民政策ではない」というが、確かに正式な移民だとすると大きな問題をはらむ。西欧は今、イスラム系の難民や移民に寛大な政策を取ったつけが回っている。「西欧文明の崩壊」という声もあり、英国の欧州連合離脱危機の一因でもある▼明治維新、太平洋戦争後に続く第3の開国という見方もある。日本人がまず、近所や職場に増える新しい仲間に慣れ、その尊厳と権利を尊重することから学ばなければならない。(倫)