和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年02月25日(火)

閉園後のパーク招待に褒めるツール…ディズニー流キャストが輝ける環境づくりとは

2万人の仲から7割のキャストが参加した東京ディズニーランドの「サンクスデー」(画像提供:オリエンタルランド)
2万人の仲から7割のキャストが参加した東京ディズニーランドの「サンクスデー」(画像提供:オリエンタルランド)
 1992年1月に「準社員感謝デー」として、東京ディズニーリゾート(以下、TDR)で始まった「サンクスデー」。普段働いているキャストを閉園後のパークへ招き、役員や社員がおもてなしをするイベントだ。2003年以降は毎年開催され、今年も1月に開催。参加した1万7000人のキャストからは、「働くモチベーションにつながった」、「職場の絆が深まった」との声が。その他にも、職場の一体感を高めるためのカヌーレースや勤続年数に合わせた記念品の贈呈など、様々な取り組みを実施。あまり知られていない「サンクスデー」の内容と、TDRが考えるキャストへのホスピタリティ、“目指す働き方の形”について人事本部・落合かな子さんに聞いた。

【写真】上司の普段見れない姿に興奮&写真撮りまくり! キャストが主役の「サンクスデー」の様子

■閉園後キャストのためにパークをオープン 上司のレアな姿が楽しみに

――まずは、「サンクスデー」が始まった経緯を教えていただけますでしょうか?

【落合さん】日頃、パークで働いてくださっている準社員や出演者のみなさんに感謝の気持ちを伝えるため、1992年にスタートしました。今年は、東京ディズニーシーで開催し、対象となる2万人程の中から約7割の方が参加されています。

――キャストの皆さん、楽しみにされているんですね。「サンクスデー」では、どのようなことが行なわれているのでしょうか?

【落合さん】通常のパークをそのまま運営して遊びに来ていただくので、基本的にはアトラクション、レストラン、商品店舗をいつも通り運営してお出迎えしています。また、会長と社長が登壇するセレモニーも実施しています。

――セレモニーではどんなお話を?

【落合さん】参加者のみなさんに日頃の感謝を伝えると同時に、現在東京ディズニーランド、東京ディズニーシー共に大規模な開発を進めているところなので、一丸となってがんばりましょうというお話がありました。

――参加者の方たちは、どのように楽しまれていますか?

【落合さん】職場の皆さんでグループになって、遊びにいらっしゃる方が多いです。普段働いている施設で上司がコスチュームを着て働いているので、各施設に行って交流を楽しまれていますね。アトラクションより、そちらの方が楽しみという方もいらっしゃいます(笑)。

――なるほど。普段見られない上司の方の姿が見られるのも、キャストの皆さんにとっては楽しみの1つなんですね。

【落合さん】そうですね。コミュニ―ションをとったり、記念撮影をして楽しまれています。キャスト同士も、普段はシフト勤務でなかなか一緒にパークに遊びに来る機会がないので、交流を深めるきっかけにもなっているようです。

――参加された方からは、どんな声が上がっていますか?

【落合さん】毎年満足度アンケートを実施しているのですが、7割の方が「満足」と答えてくださっていて、「やりがいにつながった」という声も多いです。「上司の方とのコミュニケーションが取れてよかった」、「記念品など特別感を感じられた」という声もいただいています。

■レシートに限定の隠れドナルドも!? その日だけの“特別感”がやりがいにつながる

――当日は記念品を贈呈されているんですね。

【落合さん】そうなんです。今年の記念品は「ありがとう」という隠し文字を入れたタオルでした。持って帰るだけではなく“コミュニケーションのきっかけになれば”という思いを込めています。他にも、当日は商品店舗やレストランで特別なレシートを使用しているんです。

――特別なレシートと言うと?

【落合さん】当日お買いものをした際に発行されるレシートは、ミッキーマウスが散りばめられているオリジナルのデザインですが、ドナルドダックがプリントされている、ステッカーをプレゼントしています。

――その日のためだけに、オリジナルのレシートを用意されているんですか?

【落合さん】はい。パークが閉園した19時から、サンクスデー開始の20時過ぎまでに、社員が急いで交換しています(笑)。

――「サンクスデー」の開始は、パーク閉園後なんですよね。

【落合さん】一般のゲストの方に影響が出ないよう、元々19時閉園の日が多い1月に実施しています。今年も20時過ぎからオープンしました。

――「サンクスデー」はどのような意味を持つイベントだと思われますか?

【落合さん】遊びに来るキャストも、おもてなしする社員も、改めて自分たちの事業の存在意義を体感できる場だと思います。日頃どういったことを提供しているのかを再認識して仕事に励むことができるので、そういったことが高作用して続いているのだと思います。

■自由参加のカヌーレースで深まる一体感 上司や同僚をメッセージで称えるプログラムも

――「サンクスデー」以外にも、社として開催されているイベントはありますか?

【落合さん】社員も含め、自由参加のカヌーレースも開催しています。パークがオープンする前の早朝に、チームでカヌーのタイムトライアルをするイベントです。仲間の絆を深めるきっかけにもなりますし、優勝チームには記念品もあって、毎回白熱した試合が繰り広げられています。

――楽しそうですね。でも、それってカヌーのキャストのみなさんが有利なのでは!?

【落合さん】カヌーのキャストは、舟の舵取りとして運営にまわっていただいています。ただ決勝戦ではエキシビジョンマッチがあって、カヌーチームが桁違いの数字をたたき出して盛り上げています(笑)。

――キャストの方のモチベーションを上げるために、様々な施策を行われているんですね。

【落合さん】イベントだけでなく、日頃から上司がキャストの方を褒めるツールとして「ファイブスタープログラム」というプログラムもあります。

――どのような内容なのでしょうか?

【落合さん】キャストの方がすばらしいパフォーマンスをした時、上司がメッセージを書いて渡すカードを用意しています。ポケットに忍ばせておいて、いつでも渡せるように準備していて。そっと渡す場合もありますし、部署内でみなさんが集まっている際にお渡しすることもあります。

――褒めてもらえると、やりがいにもつながりますよね。

【落合さん】そうですね。みなさんの前でカードを渡すときは、すごく盛り上がるようです。やりがいにつながるという意味ではもう1つ、キャスト同士でメッセージを送り合える「スピリットオブ東京ディズニーリゾート」というプログラムもあります。

――詳しく教えてもらえますか?

【落合さん】同僚間や、部下から上司、他部署の方と相手は誰でもよくて、メッセージ欄によかった部分を書いて送るシステムです。1ヵ月間期間を設けて社内のポストに投函してもらうのですが、(従業員約2万人に対し)47万枚程集まります。

――47万枚! すごい数ですね。

【落合さん】そうですね。封筒に入れて、それぞれのお手元に届くようになっています。

――一緒に働く仲間からの言葉は、モチベーションにもつながりそうです。絆も深まりますね。最後になりますが、御社にとってキャストの皆さんはどんな存在でしょうか?

【落合さん】テーマパークを運営する上で、欠かせない大切な存在です。アトラクションはどんどん新しい物も登場しますが、キャストのみなさんの力がないと運営できませんので。働くみなさんに、楽しくやりがいを持って働いて頂けるよう、これからも環境作りに努めていきたいと考えています。

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