和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年09月20日(金)

一枚岩に愛犬の影 男性がほら貝で供養、古座川

一枚岩に現れた守り犬の影(16日、和歌山県古座川町相瀬で)
一枚岩に現れた守り犬の影(16日、和歌山県古座川町相瀬で)
 和歌山県古座川町相瀬の国指定天然記念物「古座川の一枚岩」に今年も「守り犬」の影が現れる時季になった。この影を13年前に見つけた室實信さん(71)=古座川町池野山=は毎年、死んだ愛犬エツを思い出しながら、供養のほら貝を吹いている。

 一枚岩の対岸にある通称「犬鳴」の山影が、毎年4月19日前後と8月25日前後の約1週間、一枚岩に写る。古座川町には、岩が大好物の太地町にすんでいた魔物が、池野山の虫喰(むしくい)岩、月野瀬の牡丹(ぼたん)岩などを食べ、一枚岩にたどり着き、かじりついたところ、犬にほえられ、逃げたという民話が残っている。岩に写る影の形が犬が魔物にほえているように見えることから「一枚岩の守り犬」として有名になっている。見える時間は午後4時45分ごろ~5時5分ごろの約20分間で、雨や曇りの日は現れない。

 室さんは2006年4月19日、その約1年前に死んだ愛犬エツ(雄、15歳)のことを考えながら一枚岩を眺めていたところ、愛犬の影が岩に現れたという。「人生で一番驚いた」と振り返る。

 その時撮影した写真が話題になり、多くの見物人やアマチュアカメラマンが訪れるようになった。室さんを含む地元住民は、民話の存在は知っていたが、一枚岩に影が出ることは知らなかったという。