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2020年02月25日(火)

「円座石」荒れる 熊野古道・大雲取越の名所

植物が生い茂った円座石(和歌山県新宮市熊野川町で)
植物が生い茂った円座石(和歌山県新宮市熊野川町で)
世界遺産登録前の円座石(2003年2月撮影)
世界遺産登録前の円座石(2003年2月撮影)
 熊野古道・大雲取越の途中にある巨石「円座石(わろうだいし)」が荒れている。熊野の神々が座ったと伝わる上部には草が茂り、三山の本地仏を表す梵字(ぼんじ)も読みづらくなっている。古道の管理を担当する和歌山県新宮市は「現状を把握した上で対応したい」と話している。

 熊野古道は2004年に世界遺産に登録された。その前年の写真では手入れが行き届いていた。その後、シダや草が目立つようになり、梵字も読みづらくなった。15年には表面のコケが全て剝がされ、岩肌がむき出しになるという出来事もあった。

 コケはその後回復しつつあるが、周囲も含めて手入れが行き届かない状態が続いている。新宮市文化振興課によると、世界遺産登録以前は地元の人たちが清掃や手入れをしていたという。現在は熊野川町森林組合に月1回、大雲取越や小雲取越など古道全般の清掃を委託している。

 円座石について同課は「シダや草木をどの程度処理するのかなど、実際に整備するとなると判断が難しい部分がある。現状を把握した上で専門家や所有者、地元の方などとも相談して方針を決めたい」と話している。

 「円座」は、わらやいぐさで編んだ丸い敷物のこと。巨石上部の模様が円座に似ていることから円座石と名付けられたという。熊野の神々がお茶を飲んで談笑したと伝わることから「熊野三山大神の御茶所」とも呼ばれ、古道の名所になっている。