和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年04月29日(火)

「映える」駅舎これからも 雨漏りの修復に画家も協力、和歌山県串本のJR紀伊有田

色鮮やかな紀伊有田駅の駅舎(和歌山県串本町有田で)
色鮮やかな紀伊有田駅の駅舎(和歌山県串本町有田で)
雨漏りを修復し、元通りの姿になった天井
雨漏りを修復し、元通りの姿になった天井
 和歌山県串本町有田のJR紀伊有田駅で、雨漏りしていた駅舎の修復が完了した。同駅は、「画家まつお」として活動する画家、松尾ゆめさん(38)=和歌山市=が駅全体をキャンバスとして絵を描き、ユニークな駅として注目されている。修復には松尾さんも協力し、元通りの姿で利用客を出迎えている。

 JR紀勢線を舞台にした芸術イベント「紀の国トレイナート」がきっかけで、松尾さんが2016~22年にかけて制作。「『こんな場所に、なんで?』と驚いてもらいたい」がテーマで、滞在制作中に触れた串本の魅力ある海や山をモチーフにした作品。SNSでは「海の中にいるみたい」などと多くの人が投稿し、人気スポットになっている。

 JR西日本和歌山支社などによると、駅舎は1940年に建設。老朽化が進み、雨漏りしていたため、1月に一部を切り取って青いパネルを張って修繕した。その後、松尾さんに再び絵を描いてもらえることになり、絵が描ける白いパネルに交換した。

 松尾さんは「雨漏りの修理をしていただけると話をいただいたときはとてもうれしかった。JRさんが直してくださったとなれば、私も絵を修復せねばという気持ちで応えた」という。

 さらに松尾さんは「たくさんの人が和歌山を訪れるきっかけになり、電車で紀伊半島を巡る人が多くなってほしい。トレイナートやJR、串本の皆さんのみならず、たくさんの人に支えていただき完成したものなので、これからも皆さんに喜んでもらえる駅であってほしい」と話した。