震災の教訓 生かそう 迂回路の里道整備、デジタル防災の体験会、和歌山県内の住民団体や行政
11日で東日本大震災から14年。南海トラフ巨大地震の発生が予想されている和歌山県内では、震災の教訓を生かそうと、住民団体や行政がインフラ整備をしたり、住民の防災意識を高めたりする活動をしている。
■迂回路の里道整備 日置川の住民団体
白浜町の有志団体「ひきがわ歴史クラブ」(冷水喜久夫代表)は巨大地震の発生に備え、町内の日置川沿いにあるかつての里道を整備し、県道の迂回(うかい)路として活用しようと取り組んでいる。
日置川沿いの右岸は県道が上流まで通じているが、左岸には上流までつながる道路がない。2024年元日に発生した能登半島地震の被災地では、道路が寸断されて何日も物資が届かない状況があった。日置川沿いも同様の危険性があり、少しでも役に立てばと、里道の整備に取り組むことにした。
24年度の整備は、左岸の白浜町田野井の田野井橋付近から口ケ谷地区の集落近くまで続く約4キロ。60年ほど前までは道沿いに民家や田畑があって生活道として使われていたが、その後は荒れたままになっている。
1月18日と3月1日にクラブのメンバーが出て、刈り払い機で雑草を刈り取ったり、チェーンソーで危険な倒木を撤去したりした。
25年度は、右岸にある安居地区の三ケ川と寺山地区をつなぐ約3キロの山道を整備する予定。
冷水代表は「車は通れないが、万が一の時に徒歩で物資を運ぶくらいはできる」と話している。
■「デジタル防災」体験 15日、田辺市役所
最新のデジタル技術を使った防災を体験してもらおうと、田辺市は15日午後1時から、同市東山1丁目の市役所5階オペレーションルームで、仮想空間に現実そっくりの空間を再現する「デジタルツイン」の体験会を開く。事前の申し込みは不要。
デジタルツインは、高性能のドローンで撮影した画像データなどを基に、地形や建物など現実世界の「ツイン(双子)」をコンピューター上に作成。ネットワークを通じて共有し、さまざまな分析やシミュレーションに生かすことができる。
市では2022年度から導入し、災害の状況把握や初動対応の迅速化に役立てている。
体験会では、デジタルツインで再現した田辺市街地を大画面に映し出し、参加者が操縦レバーを使って津波の浸水域などを確認する。また、「VR(仮想現実)ゴーグル」を装着し、地震の揺れを体験することもできる。
市の担当者は「災害を疑似体験することで、危機意識をより高めていただけると思う。子どもから大人まで、多くの人に参加してほしい」と呼びかけている。
問い合わせは、市建築課(0739・26・9935)へ。
■迂回路の里道整備 日置川の住民団体
白浜町の有志団体「ひきがわ歴史クラブ」(冷水喜久夫代表)は巨大地震の発生に備え、町内の日置川沿いにあるかつての里道を整備し、県道の迂回(うかい)路として活用しようと取り組んでいる。
日置川沿いの右岸は県道が上流まで通じているが、左岸には上流までつながる道路がない。2024年元日に発生した能登半島地震の被災地では、道路が寸断されて何日も物資が届かない状況があった。日置川沿いも同様の危険性があり、少しでも役に立てばと、里道の整備に取り組むことにした。
24年度の整備は、左岸の白浜町田野井の田野井橋付近から口ケ谷地区の集落近くまで続く約4キロ。60年ほど前までは道沿いに民家や田畑があって生活道として使われていたが、その後は荒れたままになっている。
1月18日と3月1日にクラブのメンバーが出て、刈り払い機で雑草を刈り取ったり、チェーンソーで危険な倒木を撤去したりした。
25年度は、右岸にある安居地区の三ケ川と寺山地区をつなぐ約3キロの山道を整備する予定。
冷水代表は「車は通れないが、万が一の時に徒歩で物資を運ぶくらいはできる」と話している。
■「デジタル防災」体験 15日、田辺市役所
最新のデジタル技術を使った防災を体験してもらおうと、田辺市は15日午後1時から、同市東山1丁目の市役所5階オペレーションルームで、仮想空間に現実そっくりの空間を再現する「デジタルツイン」の体験会を開く。事前の申し込みは不要。
デジタルツインは、高性能のドローンで撮影した画像データなどを基に、地形や建物など現実世界の「ツイン(双子)」をコンピューター上に作成。ネットワークを通じて共有し、さまざまな分析やシミュレーションに生かすことができる。
市では2022年度から導入し、災害の状況把握や初動対応の迅速化に役立てている。
体験会では、デジタルツインで再現した田辺市街地を大画面に映し出し、参加者が操縦レバーを使って津波の浸水域などを確認する。また、「VR(仮想現実)ゴーグル」を装着し、地震の揺れを体験することもできる。
市の担当者は「災害を疑似体験することで、危機意識をより高めていただけると思う。子どもから大人まで、多くの人に参加してほしい」と呼びかけている。
問い合わせは、市建築課(0739・26・9935)へ。