和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年02月24日(月)

梅酢で畜産物ブランド化 紀州ほそ川に「もったいない賞」

審査委員会委員長賞の賞状を手にする細川庄三社長
審査委員会委員長賞の賞状を手にする細川庄三社長
 食品産業の持続可能な発展に向け、省エネルギーや廃棄物の削減・再生などで顕著な実績を上げている事業者を表彰する「食品産業もったいない大賞」(食品等流通合理化促進機構主催、農林水産省協賛)で、和歌山県みなべ町晩稲の梅加工業「紀州ほそ川」が審査委員会委員長賞に選ばれた。「畜産物のブランド化をもたらした未利用資源『梅酢』の活用」で受賞した。同表彰事業で県内から選ばれるのは初めて。

 食品産業全体での地球温暖化防止、省エネルギー対策、食品ロス削減などの促進が目的。「エネルギー・CO2削減」「廃棄量削減・再生利用」「教育・普及」などの観点で、顕著な実績を上げている食品関連事業者や企業、団体、個人を表彰している。

 全国34の応募の中から、農林水産大臣賞(1点)、農林水産省食料産業局長賞(3点)、審査委員会委員長賞(5点)を選んだ。

 梅を塩漬けした際にできる「梅酢」の未利用分は産業廃棄物として処分されていたが、同社が県養鶏研究所に依頼し、鶏の餌に梅酢を混ぜて与えたところ、産卵率や生存率の向上、鶏肉や鶏卵の品質向上につながることが分かったという。

 そこで、梅酢を近隣農家から買い取り、減塩濃縮した梅酢飼料を生産、販売。この飼料で育った鶏は「紀州うめどり」、卵は「紀州うめたまご」としてブランド化されるに至った。他にも「紀州梅まだい」「紀州うめぶた」がブランド化されており、いずれも優良県産品「プレミア和歌山」になっている。

 6日に東京都内であった表彰式では事例発表会もあり、同社の細川庄三社長が、昨年1年間で梅酢は自社で出る分も含めて700トンの引き取りがあったこと、梅酢飼料を養鶏業者、養鶏から出た鶏ふんを梅生産者、鶏ふんを肥料として生産した梅や梅酢を加工業者へと、地域で循環できる仕組みを目指していることなど、廃棄物の削減や付加価値向上の取り組みを発表した。

 細川社長は「長年の取り組みが評価されてうれしい。今後も新たな取り組みも含めて、さらに梅酢の活用を広げていきたい」と話した。