和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年03月29日(金)

新たな感染者なし 新型肺炎で和歌山県

 和歌山県内で「済生会有田病院」(湯浅町)の医師や患者、家族を含む12人の感染が確認されている新型コロナウイルスについて県は19日、新たな患者は発生していないと発表した。同病院の職員や濃厚接触者のほか、他地域を含め、原因不明の肺炎患者も検査しているが、18日午後3時以降、新たに陽性はなかった。

 同病院では、50代男性外科医2人の感染が確認されていたが、いずれも回復し、1人は16日、もう1人は19日に退院した。1週間程度の自宅待機をしてもらい、経過観察するという。病院では、新規の外来受診を停止しているが、1月18日以降にこの病院を受診し、症状がある人を対象に2月14日から「接触者外来」を設け、19日午後1時までに122人を診察した。入院患者約160人の対応などにも当たっている。

 19日の記者会見で仁坂吉伸知事は「不安もある中で、医師や関係者は務めを果たしてくれている。感謝申し上げたい。一日も早く、病院が正常化したと証明したい」と話した。県は今後、同病院の残りの医療関係者や入院患者、出入り業者の検査を急ぐ。和歌山市の協力も得ているほか、必要によっては大阪府や兵庫県、民間機関にも依頼するという。

 病院周辺で、中国人観光客らが出入りしたと思われる宿泊施設や小売店などの従業員への聞き取りは一通り終了したが、体調不良を訴えた人はいなかったという。引き続き、注意を続けるとしている。

■新幹線の乗車位置公表 感染の看護師

 同病院関係以外では、横浜港に停泊し、多くの感染者が出ているクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で「災害派遣医療チーム」(DMAT)として13~15日に活動した30代男性看護師の感染も判明している。

 看護師は13日に防護服を着用し、船内の発熱患者の診療補助に当たっていた。帰宅は15日で、新幹線と車を利用。県は、看護師が新幹線「のぞみ43号」で新横浜(午後3時29分発)から新大阪(午後5時37分着)まで、6号車16番Cに乗車していたと発表した。マスクは着用していたという。

 新幹線の乗車座席を公表した狙いについて仁坂知事は「(発病したのは翌16日のため)あまりうつる可能性はないと思うが、新幹線を利用した人が全員心配するのであれば、(乗車車両が特定できるよう)発表した方がいいと思った」と話した。

 また、看護師と同じチームに加わっていた残り2人も検査したが陰性だった。県内からの別チームで、中国武漢からの帰国者の健康管理の業務に当たり、発熱を訴えていた人も陰性だった。