和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年05月22日(木)

【動画】6年ぶり紀南走る JR客車サロンカーなにわ、カヌーからもお見送り、和歌山

古座川に架かる鉄道橋を走る「サロンカーなにわ」とカヌーから手を振る南紀串本観光協会の関係者ら(20日、和歌山県串本町西向から撮影)
古座川に架かる鉄道橋を走る「サロンカーなにわ」とカヌーから手を振る南紀串本観光協会の関係者ら(20日、和歌山県串本町西向から撮影)
 JR西日本の欧風客車「サロンカーなにわ」が18~20日、JR紀勢線の和歌山―新宮駅間を走った。同社によると、2019年7月以来、およそ6年ぶりの走行。写真スポットには全国各地から鉄道ファンが詰めかけ、串本町を流れる古座川に架かる鉄道橋を列車が通る際には、南紀串本観光協会の関係者らもカヌーから手を振って見送った。


 サロンカーなにわは旧国鉄が1983年に改造製作した客車。現在はJR西日本が保有し、ツアーなどの際の団体臨時列車として利用している。

 今回はかつて親しまれた夜行列車にちなみ、この車両を使った「『サロンカーはやたま』で行く紀勢本線(和歌山~新宮)の旅」と題したツアーで、約50人が参加。18日午後9時50分に、ディーゼル機関車(DD51)2両がけん引する計7両編成で和歌山駅を出発し、19日午前7時33分に新宮駅に到着した。乗客はフリータイムとして観光などを楽しんだ後、20日午前9時45分に新宮駅を発ち、午後4時12分に和歌山駅に戻った。

 20日午前、鉄道の写真スポットとして知られる古座川に架かる鉄道橋では、西向側に200人ほどの写真愛好者が全国各地から詰めかけた。

 南紀串本観光協会では、以前に行ったJR西日本の観光特急列車「WEST EXPRESS(ウエスト エクスプレス)銀河」をカヌーから見送ったおもてなしが好評だったことから、今回も企画。古座川町観光協会も協力した。

 午前10時50分頃、サロンカーなにわが鉄道橋を通過するのに合わせ、協会の関係者約40人が20艇余りのカヌーから手を振った。

 大阪への出張を利用して撮影に訪れたという茨城県の会社員男性(54)は「6月に引退という話も聞いているので、今日は貴重な写真を撮ることができたし、カヌーからの見送りも古座川ならではで良かった」と笑顔。南紀串本観光協会でカヌーを担当している三栖雅章さん(40)は「珍しい車両なので、走ってくれてありがとうという気持ちで企画した。列車が警笛を鳴らし、乗客も車窓から手を振ってくれてうれしかった。今後も情報があれば盛り上げに協力していきたい」と話していた。