和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年05月22日(木)

補助対象者 広げる 空き家の改修・片付け支援、和歌山県みなべ町

「わかやま空き家バンク」に登録されたみなべ町の物件を紹介している、県の移住ポータルサイト「わかやまLIFE」のページ
「わかやま空き家バンク」に登録されたみなべ町の物件を紹介している、県の移住ポータルサイト「わかやまLIFE」のページ
 和歌山県みなべ町は空き家の活用を進めるため、本年度から、町内の空き家の改修や家財片付けにかかる費用の補助対象者を、大幅に広げた。これまでは移住者と空き家の所有者のみだったが、本年度からはUターン者や2地域居住者、事業主、地域貢献活動をする人や団体も対象にする。町政策推進課は「空き家の解消につなげ、地域の活性化を図りたい」と話している。


 県の「わかやま空き家バンク」に登録された町内の空き家が対象。空き家を活用するための改修工事費の3分の2(上限80万円)、空き家を活用するために必要な家財整理や撤去、処分などの片付け費用の全額(上限8万円)を補助する。本年度当初予算に空き家改修支援事業として500万円、空き家家財片付け支援事業として40万円を盛り込んだ。

 「Uターン者」は県外で2年以上勤務した後に再び町内へ転入した人で、親族が持つ空き家に居住する場合は、売買や賃貸借契約を結んでいなくても補助制度の申請ができる。

 「2地域居住者」は県外に生活拠点があってみなべ町に住民票は移していないが、1年のうち通算1カ月以上を町内に持つ家などに滞在して県内で活動しようとしている人。「事業主」は町内に事業所や事務所、営業所がある個人や法人事業主で、空き家を社宅にしたりカフェや民泊施設などを開業したりして利活用しようとしている人。

 「地域貢献活動実施者」は、空き家で子ども食堂や遊び場、援農者の宿泊場所、フリースクールや就労支援施設などといった地域貢献活動をしようとする事業主や団体。

 町内では空き家が増加傾向にある。町の調査によると、2016年度は333戸だったが、22年度には403戸に増えた。

 空き家は放置すれば劣化が進み、倒壊による事故や犯罪につながる危険がある。空き家の活用を進めることでこうした問題の解消や、地域の活性化につなげることが狙い。

 町では空き家に関する複数の補助事業に取り組んでいる。

 空き家の改修・家財片付けの支援は、県の支援事業を補う形で、22年度から始めた。このほか、23年度からは、わかやま空き家バンクを利用して町外から移住した人に30万円の助成金、バンクに登録した空き家の売買や賃貸借契約が成立した所有者に10万円の奨励金を出す支援制度を設けている。

 一方、24年度から始めた、町内の空き家・空き店舗活用による起業促進助成金と、空き家・空き店舗成約奨励金は廃止する。要件が厳しく交付実績がなかったこと、本年度から空き家改修支援補助金の対象を起業する事業主などにも広げたため。

 補助事業などの詳細は、町政策推進課(0739・72・2142)へ。