100年で3・1度上昇 熊野灘南部の海水温、和歌山県水産試験場
和歌山県水産試験場(串本町)が過去58年間の熊野灘南部海域の海水温を解析した結果、100年当たりに換算すると最大で3・1度上昇していることが分かった。試験場は「季節別、水深別のいずれも上昇傾向にあり、特に冬季でその傾向が強かった。2017年以降は、黒潮大蛇行の影響が大きい」と話している。
試験場では水産資源の評価と管理、漁海況予測のため、漁業調査船「きのくに」で毎月海水温を観測している。今回、1966~2023年に潮岬(串本町)より東側の9点で観測した海水温の変動を解析した。水深別(0メートル、30メートル、50メートル、100メートル、200メートル)で季節別(春=3~5月、夏=6~8月、秋=9~11月、冬=12~2月)の特徴を調べた。
この結果、100年当たりに換算すると、冬の30メートルが3・1度上昇しており、最も変動していた。水温の変化が小さかったのは秋の200メートルで0・08度の上昇だった。上昇傾向は冬に強く、気象庁が公表している四国―東海沖の海域平均海面水温と同じ傾向だった。
一方、黒潮が大蛇行となった17年以降は、いずれの季節でも上昇傾向が強まっている。これは黒潮内側反流(黒潮から反対に流れる暖水)の影響で高水温に覆われやすくなったと考えられている。
水深の鉛直方向への変動は、春と夏は海水の混合が起こりにくく、秋と冬は起こりやすい傾向にあることも分かった。
試験場では水産資源の評価と管理、漁海況予測のため、漁業調査船「きのくに」で毎月海水温を観測している。今回、1966~2023年に潮岬(串本町)より東側の9点で観測した海水温の変動を解析した。水深別(0メートル、30メートル、50メートル、100メートル、200メートル)で季節別(春=3~5月、夏=6~8月、秋=9~11月、冬=12~2月)の特徴を調べた。
この結果、100年当たりに換算すると、冬の30メートルが3・1度上昇しており、最も変動していた。水温の変化が小さかったのは秋の200メートルで0・08度の上昇だった。上昇傾向は冬に強く、気象庁が公表している四国―東海沖の海域平均海面水温と同じ傾向だった。
一方、黒潮が大蛇行となった17年以降は、いずれの季節でも上昇傾向が強まっている。これは黒潮内側反流(黒潮から反対に流れる暖水)の影響で高水温に覆われやすくなったと考えられている。
水深の鉛直方向への変動は、春と夏は海水の混合が起こりにくく、秋と冬は起こりやすい傾向にあることも分かった。