和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年05月21日(水)

27年夏に開通予定 2年遅れ、和歌山県すさみ串本道路

すさみ串本道路の工事の課題や開通見通しについて話し合う関係者(23日、和歌山市で)
すさみ串本道路の工事の課題や開通見通しについて話し合う関係者(23日、和歌山市で)
すさみ串本道路の地図
すさみ串本道路の地図
 国土交通省近畿地方整備局の紀南河川国道事務所は23日、「すさみ串本道路」(和歌山県すさみ町江住―串本町サンゴ台、19・2キロ)の開通予定を2027年夏と発表した。当初は今春の開通予定だったが基礎掘削中に地盤の亀裂が見つかったことなどから昨秋時点で、2年程度遅れる見方を示していた。

 この道路の工事の課題や対応について情報共有する「事業工程会議」が和歌山市であり、近畿地方整備局と県、すさみ町、串本町の職員が出席した。

 この道路の工事を巡っては、昨春、串本町和深の安指川橋(仮称)の橋脚の基礎部分の工事中、硬い岩が多数発見された。掘削機を大型化したり作業を追加したりして対応。昨年10月ごろに完了したが、当初1カ月ほどの工事予定が、約半年に延びたという。

 昨年7月には、すさみ町里野の小河瀬谷川橋(仮称)の基礎掘削中、地盤のひび割れが多い箇所が見つかった。このままでは橋を支えきれない恐れがあるとして工事を中断。深い健全な地盤まで基礎くいを追加するとしていた。今回、対策工法の詳細な設計ができ、工程を精査して開通の見通しが立ったという。工事は4月上旬に再開している。

 紀南河川国道事務所は27年夏の開通見通しを示した上で「一日でも早く開通できるよう、引き続き工期短縮に努める」としている。

 開通までに時間がかかることから、開通前についてもおおむね完成した区間や工事用道路などを緊急輸送道路や住民の避難路などとして活用するとしている。