和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月25日(木)

読み聞かせで本の世界へ 絵本作家の宮西さん講演

人形劇を披露する宮西達也さん(和歌山県古座川町高池で)
人形劇を披露する宮西達也さん(和歌山県古座川町高池で)
 和歌山県古座川町高池の町中央公民館で22日、絵本作家の宮西達也さん(63)=静岡県=を講師に招いた町読書活動推進フォーラムがあった。宮西さんは読み聞かせを通じ、作品に込めた思いをユーモアたっぷりに話し、約100人の親子連れらを絵本の世界へ誘った。

 宮西さんは自身の絵本をスクリーンに大きく映し出し、解説を交えながら読み聞かせを披露。

 自身が大好きだという「まねしんぼう」は、自分の弟との小さい頃のことをヒントに書いたと紹介。「小さい時のことが大事。子どもたちの心に、本当の優しさ、思いやり、感動を与えてほしい。それが将来すてきな大人に成長させていく」と呼び掛けた。

 「おかあさんだいすきだよ」の絵本では「良いことをしたら子どもたちのことを褒めてあげて。日本人は特に否定的な言葉を使う。時にはぎゅうっと抱っこして『ずっとずっとずっと大好きだよ』と声に出して言ってほしい。そう思ってこの本を書いた」と説明。

 会場に居る町職員らにも読み聞かせの配役を割り当てた。アドリブを織り交ぜ、声色を変えながらせりふを読み上げると、会場から大きな笑いが起こった。「ティラノサウルス」シリーズの「おまえうまそうだな」「うんこ」などの読み聞かせもあった。

 宮西さんは、どこの講演でもやっているという人形劇も披露。「何でも一生懸命やる。疲れるけど良いことがいっぱいある」と締めくくった。

 この他、講演で訪れたアメリカや中国、韓国でのエピソードを話し、絵本の販売では一人一人に話し掛けてサインをした。

 古座川町池野山、公務員の立花昌也さん(39)は「宮西さんの絵本は何冊か持っていたが、今回3冊買った。早く子どもに読んであげたい」と話した。