和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年05月22日(木)

ふるさと納税 過去最高額 24年度、返礼品9割以上が梅干し、和歌山県みなべ町

庁舎玄関ロビーに展示している、ふるさと納税返礼品の見本(和歌山県みなべ町芝で)
庁舎玄関ロビーに展示している、ふるさと納税返礼品の見本(和歌山県みなべ町芝で)
 和歌山県みなべ町へのふるさと納税による2024年度寄付金は2億7647万4千円で、これまで最高だった23年度(1億8701万円)から48%増え、最高額を更新した。寄付者の延べ人数は2万1219人で、最も多かった23年度の1万5879人を上回った。返礼品の9割以上が梅干しだった。


 町政策推進課によると、寄付額が増えた理由として、ふるさと納税「4大サイト」といわれるポータルサイトのうち、唯一未加入だったサイトにも23年11月に加入したことから、同サイトを通じての新規の寄付者が増えたことが大きいとみている。返礼品の品数は約400点で、23年度(約300点)から約100点増えたことも影響している。

 寄付した人を都道府県別でみると、東京都が延べ5332人で最も多く、大阪府2189人、神奈川県2083人、愛知県1515人、兵庫県1303人、千葉県1253人と続いた。

 7項目ある寄付の使い道のうち、最も多いのは農林水産業や商工業、観光業の振興に活用する「うめ世界一の元気なまちづくり」で9620万4千円(7789人)。次いで、自然と共生したまちづくりや定住・移住の促進などに活用する「緑豊かで快適なまちづくり」(7139万7千円、5897人)だった。

 町は、町外からの寄付者を対象に、1件当たり1万円以上の寄付に対し、寄付額に応じて返礼品を贈っている。

 ふるさと納税の目的は町の活性化につなげることであり、返礼品も梅干しや梅酒、梅シロップ、梅エキスといった梅関連商品を中心に、備長炭、魚の干物などほとんどが町内で作られた商品。青梅の収穫や梅シロップ作りなど梅関連の体験型返礼品も24年度から登場している。

 最も人気が高いのは家庭用梅干しで、次いで贈答用梅干し。このほか備長炭や、期間限定のイチゴ、青梅(5月9日~6月初旬)も喜ばれているという。

 同町へのふるさと納税の寄付額は年々増加している。20年度は9006万6千円で、この5年で約3倍に増えた。

 山本秀平町長は公約で、ふるさと納税額を10倍にして地域の魅力向上に再投資することを挙げている。

 町政策推進課によると、本年度は事業者に委託して新しい返礼品の開発やPR広告などに取り組んでいく。複数の自治体が協力して取り扱いできる共通返礼品についても検討していくという。

 同課は「より多くの人にみなべ町のふるさと納税を知ってもらい、みなべ町を応援してもらいたい」と話している。

 町では、返礼品の登録も随時受け付けている。問い合わせは町政策推進課(0739・72・2142)へ。