和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年10月26日(火)

農村をテーマパークに 秋津野ガルテンがイベントやツアー企画

ウオークイベントで散策を楽しむ参加者。ガルテンでは今後、イベントやツアー企画を充実させたいという(和歌山県田辺市上秋津で)
ウオークイベントで散策を楽しむ参加者。ガルテンでは今後、イベントやツアー企画を充実させたいという(和歌山県田辺市上秋津で)
 和歌山県田辺市上秋津の体験型施設「秋津野ガルテン」は、地区を巡るウオーキングに食や農業体験、宿泊などを組み合わせたイベントやツアー企画に乗り出す。「農村テーマパーク」として全国に売り出したいという。


 上秋津は、高尾山の麓や右会津川沿いに広がる地区で、ミカンの産地。梅の栽培も盛んで、世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」の認定地でもあり、里山の風景が色濃く残っている。歴史的な見どころもいくつかある。

 3年前には地元や隣接する長野の農業法人、地域づくり団体、町内会らがウオーキングコース「熊野早駈道」を設定し、案内板を設置したり、トイレを整備したりした。高尾山や槇山の麓を通るルートで、旧市内の秋津や万呂、三栖地域を通る一般的な熊野古道に対し、近道とされている。沿道には1200年の歴史がある千光寺、閻魔(えんま)大王が祭られる十王堂、弓の名手とされる源氏の武将・那須与一ゆかりの不動寺などの見どころもある。

 これとは別に、高尾山に登るコース、右会津川に沿ったコース、畑を縫って農産物直売所「きてら」を訪れるコースも設定し、ウオーキングイベントを企画している。

 地区内では温州ミカンなど約80種類のかんきつが栽培されており、一年を通して収穫することができる。梅は2月が観梅シーズンで、5月から7月にかけて収穫が続く。野菜も含め、収穫体験ができる。

 民泊もでき、地区内では農家14軒が受け入れをしている。

 核となるガルテンは小学校の旧木造校舎を活用した施設で、計69人が宿泊可能。地元の野菜や果物をメニューに出す農家レストランやスイーツ工房があり、スイーツや郷土料理作りの体験ができる。

 手始めに今月上旬、観梅ウオークを企画した。約40人が参加し、満開の梅の花や眺望を楽しみながら、地区を散策。今が旬のかんきつ「不知火(しらぬい)」を収穫して味わい、農家から話を聞いた。今回は、リュックに弁当や茶、おやつ(クッキー)を入れて用意し、「手ぶらで来て、上秋津の魅力を楽しめる」をアピール。喫茶店でのコーヒーサービスやガルテンの食事券などが当たる抽選もあり、参加者に好評だった。

 今後、参加者の意見を聞きながらさまざまな工夫を凝らし、農業体験や宿泊を加えたイベントやツアーをメニュー化し、アピールしていく。

 ガルテンを運営する農業法人「秋津野」の玉井常貴会長(75)は「ネームバリューがあるガルテンを核に地域を活性化させたい」。都市と農村との交流を促すグリーンツーリズムを生かした取り組みで、仕事と休暇を組み合わせたワーケーションやインバウンド(訪日外国人旅行者)の誘致にも役立てたいという。