和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年05月22日(木)

ひょうで半数近い梅に傷 着果数は平年の7割弱、和歌山県みなべ・印南

梅の着果状況を調べる日高果樹技術者協議会の調査員(和歌山県みなべ町筋で)
梅の着果状況を調べる日高果樹技術者協議会の調査員(和歌山県みなべ町筋で)
ひょうで傷の付いた梅の実(和歌山県みなべ町筋で)
ひょうで傷の付いた梅の実(和歌山県みなべ町筋で)
 JAわかやまや日高振興局などでつくる「日高果樹技術者協議会」は25日、和歌山県の御坊・日高の4市町で実施した本年産南高梅の着果調査結果を発表した。主産地であるみなべ町と印南町の着果数は、過去10年平均比の67%と少なかった。6日や14日などに降ったひょうによって、半数近い実に傷が見られた。協議会は「ひょうによる被害はみなべ町ではほぼ全域で見られた。秀品率が低くなり、厳しい作柄になりそうだ」と懸念している。


 協議会の関係者延べ34人が21~24日に、みなべ町80、印南町11、御坊市6、日高川町17の計114園で調査した。各園に設定している樹木の側枝(直径2センチ)2枝の先についた実を数えた。実太りも調べた。

 その結果、みなべ町・印南町の着果数は過去10年の平均と比べて67%で「少ない」となった。

 地区別でみると、みなべ町の岩代・南部、上南部と印南町、日高川町の川辺と中津がいずれも「少ない」。みなべ町の清川が「やや少ない」、高城と御坊市が「並み」になった。

 肥大(果実の長径)については、みなべ町・印南町が20・3ミリで過去10年の平均と比べて90%。1個当たり平均の重さは5・8グラムで、平年比79%だった。

 着果数が少ない理由について、協議会は「今年は開花が非常に遅れた。開花期間が短く、その短い期間の中でも雨や低温の日が多く、授粉するミツバチが非常に活動しにくかったため」と話している。

 4月6、11、14、15日に降ったひょうにより、みなべ町、印南町、日高川町、御坊市の広範囲で実に傷が見られた。

 全ての指定園地で、1園地につき50果ずつ調べたところ、ひょうで傷の付いた実の割合は、みなべ町と印南町で46・3%、御坊市と日高川町では28・8%だった。特に主産地であるみなべ町の一部では、傷のある実が7割を超えた地域もあった。

 協議会は5月21日に御坊市と日高川町、22日にみなべ町と印南町で最終の着果調査を予定している。