和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2025年05月22日(木)

宮﨑副知事が出馬表明 知事選「岸本県政継承が使命」、和歌山

次期知事選に立候補を表明する副知事の宮﨑泉氏(和歌山市で)
次期知事選に立候補を表明する副知事の宮﨑泉氏(和歌山市で)
 岸本周平和歌山県知事の死去に伴う知事選(5月15日告示、6月1日投開票)に、副知事の宮﨑泉氏(66)=和歌山市=が28日、無所属で立候補することを表明した。和歌山市のホテルで会見した宮﨑氏は「岸本知事の古里和歌山に対する熱い思いと政策を引き継ぐことが、岸本知事から副知事に指名された私に課された使命」と述べた。

 宮﨑氏は急逝した岸本知事について「1期目途中、2年4カ月の短い間に県政を去らなければならなかった無念さを思うと、ただ言葉を失う」と述べた。その上で「県民一人一人に寄り添い、笑顔あふれる和歌山県をつくる」という岸本知事の考えを継承し、県民の意見を聞きながら県政を進めていくとした。

 岸本知事は紀南の振興にも力を入れていた。白浜町のレジャー施設で飼育するパンダ全4頭の中国への返還が決まったことについて宮﨑氏は「大変な問題」とし、国に対応を働きかける考えを示したほか、同町の南紀白浜空港の滑走路延伸に向けた事業も継続する意向を示した。中小企業支援や県外への若者流出抑制にも取り組みたいとした。

 宮﨑氏は20日ごろに立候補を決断したという。宮﨑氏に出馬を打診していた自民党県連は26日、党本部に推薦を申請すると発表。宮﨑氏は立憲民主党や日本維新の会、国民民主党、公明党、社会民主党などにも推薦を依頼していくという。

 宮﨑氏は大阪大学人間科学部卒業。1982年に県職員になり、企業振興課長や人事課長、知事室長を経て2019年から今年3月まで県教育長。副知事には4月1日に就任したばかりで、岸本知事が死去した15日からは職務代理者を務める。知事選に備え、宮﨑氏は28日、5月9日付で副知事を辞職したいとする届けを鈴木太雄議長に提出した。

 知事選で他に出馬表明した人はいない。

■県民葬 6月7日

 県は30日、在職中に急逝した岸本周平知事の県民葬を6月7日に県民文化会館大ホール(和歌山市小松原通1丁目)で執り行うと発表した。

 県や県議会、市長会、町村会、市議会議長会、町村議長会でつくる実行委員会が主催。時間は午後2時~4時半の予定。

 事前申し込みは不要。約2千席用意するが、参列者数によっては座れない場合もある。手荷物検査をする場合がある。平服での参列を呼びかけている。香典や供物、供花は辞退する。

 詳細は後日、県ホームページで案内する。