和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月25日(木)

食用バラの栽培拡大へ 日本公庫が古座川の事業者支援

竹製ビニールハウスで栽培されている食用バラ(和歌山県古座川町三尾川で)
竹製ビニールハウスで栽培されている食用バラ(和歌山県古座川町三尾川で)
 日本政策金融公庫和歌山支店は、和歌山県古座川町三尾川でエディブルローズ(食用バラ)を栽培している株式会社「あがらと」の規模拡大を支援した。あがらとの土井新悟代表取締役は「栽培株が3万株となれば世界一の食用バラ生産者となれる。現在は2500株。まずは当社の食用バラを県の特産品とすることを目指し、いずれは古座川町を日本一、そして世界一の食用バラの産地にしたい」と抱負を述べた。

 同社は、2017年3月設立。耕作放棄地を開墾し、病害虫や獣害よけを目的に竹を骨組みに使った独自のビニールハウスを設置し、農薬、化学肥料、動物性肥料を使わない独自の方法で食用バラを栽培している。この栽培法で育てたバラの花びらは、シャキシャキとした食感が特徴で、そのまま食べてもほのかに甘く香りが強いという。

 同社は、食用バラを「Dew Rose」と名付け、ジャム、茶、バターなどに加工して販売している。

 日本公庫は、あがらとの経営戦略、独自性、地域への貢献度を高く評価。竹製ハウスの増設、真空乾燥機などの取得、増加運転資金を日本公庫農林水産事業で支援した。

 日本公庫は「今後も農業を営んでいる皆さまの6次産業化など、新たな事業分野への進出や規模拡大などを資金面で支援したい」と話している。