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2024年10月10日(木)

全日制は過去最低の0・89倍 和歌山県立高校入試の一般出願

2020年度和歌山県立高校入試の出願状況(紀南関係分)
2020年度和歌山県立高校入試の出願状況(紀南関係分)
 和歌山県教育委員会は25日、2020年度県立高校入試の一般出願状況を公表した。田辺の普通科は定員200人に242人が出願。定員を超える出願者数は県内最多で、倍率は普通科で最高の1・21倍だった。一方、全日制全体の出願倍率は、現行制度になった09年度以降、最低の0・89倍となった。この後、志望先を1度変更することができる。

 出願倍率が最も高かったのは和歌山工業の建築科で1・53倍。続いて、同校の創造技術科(1・40倍)、同校の土木科(1・33倍)、紀北工業のシステム化学科(1・28倍)、田辺の普通科、向陽の普通科(1・20倍)など。

 向陽の普通科は定員200人に239人が出願。定員を超える出願者数は田辺の普通科に次いで多かった。田辺の普通科は、県教委が20年度の定員を19年度の240人から40人減らすことにしている。19年度入試では238人が受験した。

 日高以南では、田辺の普通科のほか、田辺工業の機械科(1・01倍)、紀央館の普通科(1・06倍)、同校の工業技術科(1・10倍)を除き、すべてで1倍を下回った。

■ 学科の7割で1倍未満

 全日制は29校4分校62学科・コースが、併設型県立中学校からの進学者や特別選抜合格内定者を除く6158人(一般選抜とスポーツ推薦)を募集。5488人が出願し、7割の24校4分校45学科・コースで定員を下回った。

 倍率は初めて0・9倍を下回った。一般出願の倍率が1倍未満となるのは、17年度0・99倍、18年度0・94倍、19年度0・93倍に続いて4年連続で、過去最低の更新を続けている。県教委は「和歌山の子どもは和歌山で育てるという考え方で、緩めに設定している」と説明している。

 定時制は9校11学科が575人を募集し、176人が出願。倍率は0・31倍だった。

 本出願は3月3、4日で、一般選抜の出願者は、この際に志望先を変更することができる。学力検査は10日、面接や実技検査は11日、合格発表は18日の予定という。

■ 欠席者の受験機会確保 新型肺炎の感染防止


 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県教委は25日、市町村教育委員会を通じ、受験者や保護者宛てに、感染拡大防止についての「お知らせ」を送付した。

 受験会場ではアルコール消毒液を置いたり、こまめに換気したりするとし、受験者にはマスク着用や手洗いを促している。

 また、試験当日、発熱などの風邪症状がある場合は、自宅で休養するよう求めている。その上で、医師の診断書か、処方箋や診療明細書の写しなど必要な書類を中学校に提出すれば、3月26日の再学力検査の受験を認めるとしている。