和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年04月03日(金)

出来たての西之島探検展 白浜水族館、国内初の一般公開

調査隊が上陸した際の写真。固まった溶岩でごつごつとしている(環境省提供)
調査隊が上陸した際の写真。固まった溶岩でごつごつとしている(環境省提供)
調査で見つかったオオカクレイワガニ(右)とオオイワガニを持つ京都大学の中野智之助教=和歌山県白浜町で
調査で見つかったオオカクレイワガニ(右)とオオイワガニを持つ京都大学の中野智之助教=和歌山県白浜町で
 和歌山県白浜町の京都大学白浜水族館は20日、特別展「西之島探検展」を始める。京大瀬戸臨海実験所の中野智之助教(41)も一員だった環境省の調査隊が上陸し、採取した生物の標本などを展示するほか、遠く離れた島までの「探検」の一端も紹介する。一般公開は国内初になるという。

 東京の南約930キロにある火山島・西之島は、陸地から離れていて、かつ陸続きになったことがないという点で世界的に貴重な存在とされる。そこでどのように生態系が形成されているのか。それを調べるのが調査隊の狙いだった。

 調査隊は鳥類や昆虫、植物、火山の専門家ら18人で構成。中野助教は潮間帯生物の専門として参加した。調査は昨年9月1~11日。神奈川県の三崎港が発着点で、使用した調査船では直行で片道50時間かかったという。

 調査では、鳥類10種や33種の陸生節足動物、カニ類や貝類などが見つかった。これらからは、鳥が繁殖のために飛来することに起因して土壌が豊かになっていくとのシナリオが推定されるという。

 特別展では、カニの一種「オオカクレイワガニ」や鳥の「カツオドリ」の巣、貝の「シワガサ」などを展示する。

 調査を「探検」として捉えた展示もする。隊員が島に外来種を持ち込まないよう、1週間前から種のある果実を食べないようにしたり、上陸前には海に入って体を洗ったりすることを紹介。接岸時に使う調査船の衝突防止材(タイヤ)からフナムシが現れた時は、隊員が慌てて捕まえたというエピソードも披露する。

 このほか、隊員の装備品や船内での食事メニューなども紹介する。

 中野助教は「出来たての島に上陸し、探検したどきどき感やわくわくする気持ちを味わってほしい」と話している。特別展は7月20日まで。水族館の入館料が必要。

■5月に講演会

 5月16日午後1時半からは、京大瀬戸臨海実験所で関連する講演会がある。中野助教や隊長の森英章・自然環境研究センター(東京都)上席研究員ら4人が、それぞれの専門分野について話す。こちらも水族館の入館料が必要。問い合わせは白浜水族館(0739・42・3515)へ。


 〔西之島〕 小笠原諸島の火山島。2013年11月からの噴火で旧島(7ヘクタール)をのみ込むように大きくなり、面積は2・89平方キロにまで広がった。火砕丘は直径100メートルで、標高は160メートル。島自体は、高さ3千メートルある海底火山の頂上に当たる。いずれも18年1月時点のデータで、噴火は今も続いている。