和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月19日(金)

国に1千万円返還へ 交付金不正受給で古座川町

 和歌山県古座川町は、町道改良工事の交付金を不正に受給していた問題で、約1千万円を国に返還することになった。30日に開かれた町議会臨時会に関連議案が提出され、可決された。

 町は町道大柳高瀬線改良工事で、工事が完了していないにもかかわらず、完成したとする虚偽の書類を作成し、交付金約2200万円を不正に受給していた。

 臨時会で当局は、この問題が発生した原因を説明。担当職員の法令順守に対する考え方がおろそかであったことや、担当者以外が事業の進ちょく状況を確認しなければならないという認識が不足していたことなどを挙げた。

 当時、技術職員が慢性的に人員不足の状態であったことや、台風による被害が重なり、時間外勤務などが常態化していたことも付け加えた。

 今回の問題を受けて町は、担当職員ら3人を停職や減給にする処分を27日付でしたことや、この問題に関する住民説明会を4月中旬に町内5カ所で実施する予定であることを報告した。

 原因究明などを目的に町が設置した第三者委員会の最終報告を受け、町は、工期の把握を徹底し、繰り越し手続きを行う判断基準を明確にするなどの対策を講じている。

 また、返還金などが決まっていない段階での提案は「時期尚早」と町議会12月定例会で否決された町長と副町長の給与を減額する条例改正案も、この日提出され、賛成多数で可決した。4~6月の3カ月間、町長の給与を月額20%(11万5400円)、副町長の給与を月額10%(5万100円)減額する。

 これらの報告を受け、橋本尚視議員(無)は、事業者に対する処分に言及していないと指摘。仲本耕士副町長は、現在弁護士と協議していると回答した。

 佃奈津代議員(無)は、新型コロナウイルスの感染拡大で集会などが自粛される中、住民説明会が開けなくなる可能性があるとし、別の方法も検討するよう要望した。