和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年05月21日(火)

「独居高齢者の時代に」

 高齢者の1人暮らしが当たり前になる時代が目の前まで来ているという。老後の1人暮らしも大変だが、そういう時代に社会保障の支え手として期待される若い人たちの負担も想像を絶する▼まずは国立社会保障・人口問題研究所が発表した「日本の世帯数の将来推計」を見てみよう。推計では、2040年には世帯主が65歳以上の世帯が2200万を突破し、うち1人暮らしは896万世帯。その割合が一番高いのが東京都の45・8%。和歌山県は41・7%で10位になっている▼一方、高齢者世帯のうち65歳以上の夫婦だけが暮らす世帯も、40年には全国平均が30・6%になる。1人暮らしと夫婦2人だけの世帯の合計では1位の鹿児島県は76・4%、2位北海道は76・0%。和歌山県は73%で10位だ。65歳以上のほぼ4分の3が高齢者だけで住むというのだから、ただごとではない▼もう一つ問題がある。高齢者の比率が高まる一方で進行する若者人口の減少である。出生率が低いままの現状に歯止めをかけない限り、これは止まらず、この国の未来像も描けない▼若い人たちが明日を信じられる社会を築き、出産や子育て、教育を社会全体で応援する仕組み作りに力を尽くす。お年寄りから知恵を借りることも必要だろう。政治家や官僚、経済界がなさねばならないことはさらに多い▼そうした課題をわがことと考え、答えを出していかなければ、この国に未来はない。(石)