和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年10月26日(月)

樹齢300年のスギ伐採 龍神温泉のモニュメントに

クレーンを使いスギ(左から2本目)の伐採作業が進められる現場=和歌山県田辺市龍神村龍神で
クレーンを使いスギ(左から2本目)の伐採作業が進められる現場=和歌山県田辺市龍神村龍神で
チェーンソーを使って作業をするスカイチームのメンバー
チェーンソーを使って作業をするスカイチームのメンバー
 日本三美人の湯として知られる和歌山県田辺市龍神村の龍神温泉街の入り口に木製モニュメントを設置する計画が進んでいる。8日、皆瀬神社近くで素材となる樹齢300年余のスギの伐採作業があった。

 龍神村内では龍神村商工会と市が連携して、地元材を使った木製看板の整備事業に取り組んでいる。同商工会によると、会員の事業所が新規に木製看板を設置する際は、市から費用の半分の補助(限度額20万円)があり、2019年度は4件の受け付けがあった。

 龍神温泉協会(若井浩平会長)は20年度の同事業として申し込み、同商工会が龍神村小家の「フォレスト・ウッド協同組合」に発注した。

 モニュメントの設置場所は、昨年秋まで看板があった国道371号の温泉トンネル付近。元の看板は台風の強風で倒れた。

 若井会長(67)によると、地元産の木を探していたところ、温泉の上手にある皆瀬神社近くの高さ約25メートルのスギの巨木(直径約1・3メートル)が、2年前の台風で幹の上部が折れたままであることを知り、モニュメントに使えないかと考えた。現場は神社の境内ではないが、神社の所有地のため、神社の総代役員らに相談。折れたスギの樹勢が弱ると、ゆくゆくは切らなければならないという話も出ていたことから、上森力総代長(79)ら役員が相談の上、温泉のモニュメントに使うならばと伐採を認めたという。

 8日は伐採作業前に、神社で安全祈願の神事が営まれ、温泉協会や作業関係者、総代役員ら15人が無事を祈った。

 スギは近くに道路や電線があり切り倒すことができないため、高所特殊伐採の実績がある奈良県黒滝村森林組合の「スカイチーム」の梶谷哲也さん(46)と岡﨑裕二さん(45)に作業を依頼した。

 岡﨑さんがロープで安全を確保しながら木の頂に登り、チェーンソーで切った枝や幹を橘重機(田辺市上の山1丁目)のクレーン車がつり下げた。梶谷さんは「龍神温泉のモニュメントを作るという歴史に残る作業ができて光栄」と話した。

 スギは上部から3回に分けて切った。根元を残して最後に切った長さ約5メートルの幹をモニュメントに使う。製作には「フォレスト・ウッド協同組合」のチェーンソーアート元世界チャンピオンでチェーンソーアーティストの城所ケイジさん(51)=龍神村柳瀬=が当たる。

 城所さんは「スギの木を生かして、モニュメント全体に龍が巻き付くような力強い彫刻を施そうと考えている。地域のシンボルとして後世に残るふさわしいものにしたい」と話している。製作は今月末から始め、5月いっぱいかかる予定。

 若井会長は「どんなモニュメントができるのか今から楽しみ。温泉のPRや案内となり、写真撮影のスポットになることを期待している」と話している。