和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2024年04月24日(水)

「もっと早く」「ストレス」  緊急事態宣言に意見さまざま

白浜温泉街
白浜温泉街
 新型コロナウイルス対策の「緊急事態宣言」について、政府が16日、対象地域を全国に拡大したのを受け、和歌山県紀南地方でもさまざまな声が上がっている。宣言には理解を示す意見が多いが、「もっと早くすべきだった」「事業の先行きが心配」「ストレスが増大する」という声もある。

 田辺市の金融機関に勤務する男性(56)は「もっと早く出すべきだった。みんな気をつけて行動していると思うが、これでより引き締まる。事態を早く収束させるには、徹底して接触を避けること。赤字なら店も閉めた方がよい。ずるずると長引く方が経済的にも精神的にも損害が大きい」と指摘した。

 田辺市湊で飲食店を経営する男性(37)も「他府県から多くの人が紀南に遊びに来ている現状を見ると、全国に拡大したのは正しい」と評価する。

 一方、ゴールデンウイーク(GW)で集客の回復を期待していた事業者らもいる。

 白浜温泉街で飲食店を営む男性(43)は「GWに少しは期待していた。12日から2週間程度休業としていたのも、GWがあったから。もともと客層は地元と観光客が半々。観光客は京阪神からが多いので、仕方ない」と受け入れている。

 上富田町の団体職員女性(20)は「これまでも外出を控えていたが、地元で出歩くのも必要最小限にしないといけない。ストレスがたまる。1年ぐらいこの状態が続くのではと不安」と話した。

■「10万円」助かるけど

 安倍晋三首相が「一律10万円」の給付の方針を示したことについても、さまざまな意見があった。

 田辺市中辺路町の自営業の女性(40)は「宿泊施設を経営していて、ここ数カ月、収入はほぼゼロで、貯蓄を切り崩しながら生活している。給付は、もらえる人ともらえない人が出ない一律の方が良いと思う」と歓迎した。

 上富田町の福祉施設に勤務する女性(34)は「夫婦とも給料制で、支給がなくても今は大丈夫。困窮世帯にもっと手厚くしてほしいが、仕組み作りが難しいのも理解できる。支給の10万円に手を付けずに、コロナの終息を迎えられたら、社会に役立てる使い方をしたい」との考えを示した。

 田辺市明洋2丁目の主婦(29)は「2歳の子どもがいるが、保育園に通わせておらず、私も働いていない。外出自粛で特に変わったことはないというのもあって、将来税金が上がるなどしわ寄せがくることの方が心配」と話した。