和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年10月27日(水)

不審死2年、捜査継続 「紀州のドン・ファン」

 田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた酒類販売会社の元社長、野﨑幸助さん(当時77)=田辺市朝日ケ丘=が急性覚醒剤中毒で死亡してから24日で、2年がたつ。死亡した経緯に不審な点があるとして、県警は現在も捜査を継続。捜査1課は「自殺も含めて、事件、事故の両面で鋭意捜査を進めている」としている。

 県警などによると、野﨑さんは2018年5月24日午後10時半ごろ、自宅寝室のソファで倒れているのを妻が発見した。家には当時、妻と家政婦がいたとされ、死亡推定時刻は午後9時ごろ。遺体を解剖したところ、覚醒剤成分が検出された。

 県警はその後、容疑者不詳の殺人容疑で関係先を複数回、家宅捜索した。野﨑さんの交友関係を調べ、関係者に話を聞くなど地道な捜査を続けてきた。

 一方、野﨑さんの死後、全財産を田辺市に寄付するとの遺言書が見つかり、市が受け取る準備を進めている。

 市が把握している財産は約13億円。昨年の9月市議会で、弁護士委託料など6540万円を計上した補正予算案が可決された。本年度の当初予算でも1億1698万円を予算化しており、遺贈を受ける手続きにかかる予算は計1億8238万円に上る。

 最終的な遺産額については、債務の清算などに時間がかかっており、本年度中の確定に向けて作業を進めている。その後、野﨑さんの妻の遺留分についての協議などがあり、実際に市がどれだけ受け取れるかは未定という。

 野﨑さんは生前、自身の女性関係や半生を記した本を出版。欧州のプレーボーイになぞらえて「紀州のドン・ファン」と呼ばれていた。