和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年07月14日(火)

3カ月半ぶり感染者ゼロ 和歌山県内、3日までに全員退院

新型コロナ感染状況
新型コロナ感染状況
 和歌山県は3日、県内の新型コロナウイルスの感染者が、約3カ月半ぶりにゼロになったと発表した。県内では、これまでに累計で63人(うち3人死亡)の感染を確認。3人が入院治療を続けていたが、検査の結果、2回連続で陰性となり、同日、退院した。


 県内では2月13日、湯浅町の済生会有田病院に勤務する医師の感染が初めて確認された。その後、入院患者らの感染が次々と判明し、クラスター(感染者集団)となった。県などは、病院職員や出入り業者、入院患者ら関係者全員約470人を検査して感染拡大を防止し、3月上旬の通常業務再開にこぎ着けた。

 2月に県内で感染が確認されたのは同病院関係以外も含め12人。3月は5人と減ったが、4月は42人と急増した。

 4月上旬に紀の川市立打田中学校で、下旬には橋本市の介護施設「デイサービスセンターさくら苑」でそれぞれ感染が相次ぎ、クラスターとなったことが影響した。また、流行が拡大していた首都圏や大阪や京都などと往来したり、通勤していたりしたことで、感染したと考えられるケースも多かった。

 入院患者は4月11日に20人に達し、28日には最多の29人となった。しかし、5月12日に陽性患者が確認されてから約3週間、新たに感染者は出ていない。入院患者は5月29日には10代男性と50代男性、90代女性の3人になり、6月3日に退院した。

 仁坂吉伸知事は記者会見で「感染者を増やさないようにするために、検査をして陽性者を隔離。濃厚接触者も検査し、濃厚ではない接触者についても調査を続けてきた。うまくいってよかったのではないか」と話した。

 5月に入り、新規陽性患者がほとんど出なかったことについては「確実に緊急事態宣言のおかげ。県外との交流を制限し、休業要請をし、県民がすごく熱心に協力してくれた。医療保健行政単独の力だけでは、もっとひどいことになった可能性はある。県民に助けてもらった」と話した。

 現場の指揮を執った県福祉保健部の野尻孝子技監は「新型コロナの感染症は未知の経験だった。感染された方からも多くの教訓を得た。これを次の対策に生かしたい」と話した。

■「第2波、必ずある」

 県内への「第2波」の可能性について、野尻技監は「必ずあると考えている。免疫を持っていないのは事実なので、人との交流がある以上、これまで和歌山県に来たような波は起こりうるし、覚悟をせざるを得ない」と警鐘を鳴らした。仁坂知事も「今後も感染者は絶対出る。ただし、一本調子に増えるのは止めないといけない。医療保健行政も力がついてきた。県民の協力をお願いする可能性もあるが、感染爆発のようなものは起こさせない」と話した。

 県では、検査機器の追加導入や医療資材の確保など、再流行に備え、対策を整えている。