和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年07月10日(金)

研究と地域貢献両立へ 大学院修士修了の前芝さん

紀伊大島で農業やレストラン経営に取り組む前芝一輝さん(和歌山県串本町須江で)
紀伊大島で農業やレストラン経営に取り組む前芝一輝さん(和歌山県串本町須江で)
 昨年10月、和歌山大学大学院在学中に和歌山県串本町の紀伊大島に農家レストランを開業した前芝一輝さん(25)が大学院の修士課程を修了し、紀伊大島での活動を本格化させている。今後は研究者を目指しながら、レストラン経営や農業など多角的な取り組みを通じて地域貢献をしたいという。

 前芝さんは起業や経営に興味があり大学院へ。そこで過疎化や農業の担い手不足といった地方の課題について学んだ。前芝さんの母方の祖父母、太田久さん(80)と千代子さん(79)が串本町で農園を営んでいたことから、大学院を1年間休学し、太田さん宅に住み込み農業に従事した。

 農園は少量多品種、約10アールの畑で年間計50品目ほどを育てている。前芝さんが加わることで、これまでに長年耕作放棄地だった土地を復活させたり、新たに農業用ハウスを建てたりと精力的に取り組み、収益を高めることができた。一方で、過疎が進む地域の現状を目の当たりにし、農業だけでは生計を立てるのは難しいことを肌で感じたという。

 収益を高めるため農業の6次産業化が必要だと考え、出荷できない規格外の野菜を活用する方法として農家レストランを開業。料理は専門書やインターネットを使って独学で学んでいる。

 これからも農業やレストラン経営など紀伊大島での地域活性化に関わりながら、今年は和歌山大学大学院博士課程を受験する予定だ。

 前芝さんが営む完全予約制の農家レストラン「NORM(ノーム)」(串本町須江)は、ゴールデンウイーク明けから平日営業を始める。これまで土日曜と祝日のみの営業だった。客の要望を聞き、旬の野菜や果物を使った料理を提供する。予約、問い合わせは午前10時~午後6時にノーム(080・1504・5947)へ。