和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2021年10月25日(月)

希少なシャクシゴケ発見 白浜町の日置川支流

体内に藍藻(矢印)を共生させるシャクシゴケ=土永浩史さん撮影
体内に藍藻(矢印)を共生させるシャクシゴケ=土永浩史さん撮影
 和歌山県白浜町の日置川支流で、紀伊半島では珍しい苔類(たいるい)シャクシゴケが見つかった。元高校教員で環境省レッドリスト調査員の土永浩史さん(61)=田辺市秋津町=が、県の生物多様性戦略推進調査で確認した。

 シャクシゴケは日本固有種で日本海側で見られる。近畿では北部に多いが、県内では記録されていなかった。生物の教科書に登場するゼニゴケやジャゴケのように茎と葉が分化していない葉状体の苔類で、体内に藍藻「シアノバクテリア」を共生させている。また、葉状体の先端部に半月状のくぼみがあり、その中に、母体から離れて新個体になるコンペイトー状の無性芽(0・2~0・3ミリ)を多数つけることも特徴の一つという。

 土永さんは「シャクシゴケの生育地は、近くに絶滅危惧種の植物が生育する貴重な場所だが、近年の台風被害で荒れているのが心配」と話している。この記録は南紀生物同好会の会誌「南紀生物」62巻1号に発表された。