和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年11月29日(日)

後継者不足や耕作放棄が課題 JA紀州の組合員アンケート

 和歌山県のJA紀州は昨年、組合員約千人から回答があった同JA振興計画アンケートの結果をまとめた。後継者不足や耕作放棄地対策が課題となっていることや、農家からJAに対しては販売事業・営農指導事業の強化への期待が大きいことが表れている。第2次農業振興計画に掲載している。

 正組合員の約1割、販売農家の約5分の1に当たるアンケート。回答者の住まいはみなべ町と印南町が全体の各24%、御坊市20%、日高川町16%などで、田辺市龍神村は1%だった。年齢は60歳以上が7割を占めた。家族労働のみは93%で、残る7%は周年雇用をし、約3分の1は季節雇用をしている。

 「経営の中で現在労働力は足りているか」の問いに対して、足りているは63%、不足は33%、その他4%で労働力不足が深刻化している。

 「後継者はいるか」の問いでは、いる36%、いない64%で、いると回答したうち現在就農している人の割合は30代の40人超、40代の30人超が多かったが、50代、60代以上もおり、ここにも高齢化が表れている。

 また、「将来就農予定」という回答でも、30代や40代が多いが、次いで50代や60代以上も多く、定年後に就農する人が多いと思われる。

 栽培の農地面積は、みなべ町では1ヘクタール以上の人が6割ほどいる一方で、印南町では1ヘクタール未満の人の割合が8割近い。田辺市龍神村では8割を超える人が50アール未満となっている。主力作物は、みなべ町は8割以上が梅、印南町は梅や施設野菜が多く、龍神村は水稲が最も多く、他に梅や露地野菜。

 「10年後の農業経営をどのようにしたいと考えているか」の問いでは、現状維持39%、分からない34%、縮小したい23%の順に多く、JAは「耕作放棄地の増加が懸念される」と分析している。拡大したいは4%だった。

 農産物の主な出荷先はJA共販が70%で、次いで個人出荷13%、加工業者9%、JA直売所やそのほかの直売所合わせて4%などだった。

 「耕作していない農地はあるか」の問いでは、あるが55%で、あるとした人の面積は10アール以上30アール未満が44%、10アール未満29%、30アール以上50アール未満17%などで、耕作放棄地対策の強化が大きな課題という。耕作放棄地になった理由を聞くと、土地の条件が悪く生産性が悪いからというのが最も多く、次に高齢化や鳥獣害、労働力不足だった。

 「農閑期に他の農家の農作業を手伝うことはできるか」の問いについては、できるが75人と少なく、できない644人、不明121人が多かった。

 「農業経営を続けていく上でJAに何を求めるか」では、販売事業の強化、営農指導事業の強化、鳥獣害対策が多かった。一番問題となっている鳥獣の種類はイノシシが最も多く、シカ、サルが続いた。