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2020年07月14日(火)

売上高、過去最高の5億円超 田辺市熊野ツーリズムビューロー

田辺市熊野ツーリズムビューロー旅行業務取り扱い状況
田辺市熊野ツーリズムビューロー旅行業務取り扱い状況
 田辺市熊野ツーリズムビューロー(和歌山県)の2019年度旅行事業売上高が、過去最高の5億2180万円となった。前年度を7897万円(17・8%)上回り、8年連続のアップ。ただ、増加の要因となった訪日外国人客は今年2月以降、新型コロナウイルスの影響で激減した。地域経済が落ち込む中、20年度は国内客の取り込みが鍵となる。

 ビューローが29日に市内で開いた総会で報告した。19年度の利用者は世界72カ国で1万4623人。うち外国人が76%を占める。国別宿泊者数は1位がオーストラリアの2243人、2位がアメリカの1394人、3位がイギリスの917人。日本は4位で663人となっている。

 売上高アップの要因は、契約宿泊施設の増加。19年度に49施設(定員計約1500人)増え、196施設(同約1万5千人)となった。これにより、古道歩きがピークを迎える春と秋に受け入れられる数が増えた。

 ところが、新型コロナの影響で2月以降は宿泊予約のキャンセルが相次いでいる。2~3月のキャンセル額は約7400万円。4~6月のキャンセルも約1億8千万円で、秋にかけて「損失」はさらに拡大する見通し。訪日客は来春まで戻ってこないとみている。

 そこで、20年度は欧米豪の海外客が中心だった観光戦略を見直し、国内客をターゲットにする。国内向けの熊野古道のツアーを企画。中辺路と小辺路、三重県の伊勢路をつなぎ長期滞在してもらう仕掛けをつくる。

 また、首都圏の熊野ファンの女性らでつくる「熊野古道女子部」の活動を支援し、SNSやメディアを通じて魅力を発信。古道歩きに加え、地域の文化や暮らしを味わってもらう体験型の商品開発も進める。こうした対策で、国内客は19年度並みの3500人の利用を目指す。

 19年度の利用者の平均宿泊日数は海外客が平均3・39泊、オーストラリアは4・27泊だったのに対し、日本は1・44泊。「メインの古道を歩いてもらうだけでも2泊3日、できれば1週間ほど滞在してもらいたい」と話している。


【田辺市熊野ツーリズムビューロー】

 2006年に市内にある五つの観光協会で構成する団体として設立。10年から現地発の旅行商品を企画販売する「着地型旅行業」に取り組んでいる。「ビューロー」には案内所などの意味がある。