和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年08月12日(水)

再発防止にけん制機能強化を 田辺市の補助金不正問題

 和歌山県田辺市の水産関連事業を巡る補助金不正問題を受け、市が設置した「補助金交付事務適正執行検証委員会」が、再発防止に向けた組織の在り方などに関する報告書をまとめた。法令順守の徹底に向けた職員の意識改革や事務手続きの厳格化のほか、けん制機能を強化することなどを提言した。

 1日にあった市議会総務企画委員会で報告した。

 市では2012年度に森づくり事業を巡る補助金不正問題が明らかとなって以降、補助金の審査体制などの見直しを図ってきた。ところが、18年度に水産関連事業を巡る補助金不正問題が発覚。市の調査によると、17年度までの19年間に和歌山南漁協などに対して5千万円超の公金の不正支出があった。

 こうしたことを踏まえ、市の補助金行政全体を検証するため、公認会計士と弁護士、元検事の3人で構成する委員会を設置。昨年12月から今年3月にかけて計5回の会合を開いた。

 報告書では、過去に不正があった補助金事業についてそれぞれの問題点を指摘。その上で、再発防止策や今後の組織の在り方について、法令順守の徹底に向けた職員一人一人の意識改革▽縦割り意識の排除に向けた横断的な取り組み▽事務手続きの点検と補助金交付事務の厳格化▽けん制機能の強化―の4項目を提言した。

 けん制機能の強化では、定期的な人事異動や内部けん制機能を担う部署の設置、内部通報制度の構築、補助金執行状況の公開制度など、多角的に取り組むことが強く求められるとしている。

 市は本年度、総務課内にコンプライアンス(法令順守)推進係を新設。内部通報制度の検討も含め、内部統制や服務規律の徹底を図っている。報告書を受け、市の実情に合わせた持続可能な仕組みづくりに取り組んでいきたいという。