和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年08月20日(火)

「ピーピー豆」

 10連休の後半、海南市にある実家の畑で草取りに汗を流した。昨秋から全く手入れができておらず、雑草が茂り放題だった▼例年ならスギナやドクダミを目の敵にしていたが、今年はカラスノエンドウだった。3月ごろから勢力を増したと思っていたら、瞬く間に畑やその周辺を占領。見たことのない光景になった▼花は小形のスイートピーに、実はサヤエンドウにそっくり。サヤは食べられそうな気がしたが「雑草の呼び名辞典」(世界文化社)の著者・亀田龍吉氏はその著書で「炒めたらたべられなくはなかったが、口の中に繊維が残り、すすめられない」と書いている▼中身を取り除いたサヤをくわえて吹くとピーピー鳴るので通称「ピーピー豆」とも呼ばれている。僕は経験がないが、妻はよく鳴らして遊んだらしく「ピーピー豆がすごい、すごい」と叫びながら引き抜いていた▼実家の畑にこれだけカラスノエンドウが茂ったことはなかったし、その生態もよく知らない。調べてみたら、マメ科の植物なので緑肥になるという。甘い蜜を出す蜜腺があるので、それにアリやアブラムシが集まり、アブラムシを捕食するテントウムシも寄ってくるそうだ▼引き抜くのに懸命でアブラムシには気付かなかったが、テントウムシは多かった。草を詰め込んだ袋からはアリが次々とはい出てきた。深い緑色に覆われた畑で、植物と昆虫がせめぎ合いを繰り広げていたのだ。 (沖)