和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年08月14日(金)

大量落果で不安視 今季ミカンの作柄、JA紀南管内

かんきつの摘果をする農家。6月に生理落果が多かったことを不安がる(和歌山県田辺市上秋津で)
かんきつの摘果をする農家。6月に生理落果が多かったことを不安がる(和歌山県田辺市上秋津で)
 秋から収穫が始まる温州ミカンなどのかんきつ類が、6月に大量に落果したため、農家らは今季の作柄を不安視している。和歌山県のJA紀南は適切な摘果など、栽培管理の徹底を呼び掛けている。

 紀南地方でのかんきつ類の収穫は毎年9月中旬、極早生温州ミカンから始まり、早生温州ミカンとバトンタッチし、年明けからポンカンなど晩柑が始まる。

 花は5月上旬に咲き、その後、果実が育つ。果実が大きくなる過程で自然に落ちる「生理落果」があるが、今季は6月中旬にあった2回目の生理落果が例年以上に多かった。「これまで経験したことがない」と嘆く農家もいる。

 JA紀南指導部によると、開花時期から6月上旬にかけて降った雨の量が少なかった影響とみられるが、確かな要因は分からないという。気象庁の気象データ(南紀白浜)によると降雨は4月下旬はほぼなく、5月上旬は少なく、中旬は平年を上回ったが、下旬は大幅に下回った。

 指導部は「実が大量に落ちたからといって、今の段階で不作になるかどうかは分からない」と説明する。今月9日時点での生産予想は、温州ミカンの極早生が平年比92・7%の3044トン、早生が98・2%の6109トンとしている。

 栽培管理の一つ、摘果は例年、適度な大きさの果実に育てるため、7月から始めるが、「大量に落ちている木であれば、摘果の時期を遅らせたり、少なくしたりするなど、栽培管理に工夫する必要がある」として、農家に対策を呼び掛けている。

 JA紀南みかん部会長の前田泰輔さん(47)=上富田町岡=は「いつもの年なら、摘果することで、おいしいミカンにしていくが、今季はそれができにくい。これまでに経験がないことなので、どのように仕上がるか心配だ。今後、様子を見た上で対策を考えたい」と話している。

 梅雨入りしてからは雨が続いており、前田さんは「ある程度の雨はありがたい。今季は多いかもしれないが、空梅雨よりはいい」という。

 甘くなるなど品質については、梅雨明けから秋にかけての日照時間が影響するため、農家の心配はこれからも続く。