和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年08月20日(火)

「平成ジャンプ」

 新元号の令和が始まった1日、市町村役場には婚姻届を出す人が多く訪れたそうだ。田辺市での届け出は25件。歴史の節目と重なった記念日は一生の思い出になるだろう▼昭和に生まれ、平成を独身で過ごした人をアイドルグループに例えて「平成ジャンプ」と言うそうだ。これをユーモアと捉える人もあれば不快に感じる人もあるだろうが、令和初日の婚姻届は絶妙な着地点と思う▼昭和天皇の崩御で重苦しく始まった平成は30年4カ月続いた。この間に一番ありがたかったのは戦争がなかったことだろう。戦後74年がたち戦争を知る世代は少なくなっているが、令和の時代もまた平和への思いを持ち続けていきたい▼個人的に平成をジャンプさせてしまったのは持ち歌。フォークソングと昭和歌謡で育ち、ニューミュージックで時間が止まった。カラオケのレパートリーはこの30年間、全く増えなかった▼それに引き換え自慢できるのは、車の運転で無事故・無違反だったこと。年に1万5千~2万キロ走るので、ざっと50万キロを安全に走り切った。どんなに気を付けていても避けられない事故もあるので、よほど運が良かったのだろう▼先日懇親の場で「自分は運が良かったと思うか、悪かったと思うか」と問いかけたところ、同席した全員が「運が良かった」と答えた。戦争のない時代に生き、気の合った仲間と酒を酌み交わすことができる―。それだけで幸運である。 (長)