和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年10月20日(火)

上富田に自転車ステーション 熊野一周サイクリングの拠点に

町産業振興・文化交流館に設けられたサイクルステーション。自転車の貸し出しなどをする(和歌山県上富田町朝来で)
町産業振興・文化交流館に設けられたサイクルステーション。自転車の貸し出しなどをする(和歌山県上富田町朝来で)
 和歌山県上富田町朝来の町産業振興・文化交流館に23日、自転車を貸し出す「サイクルステーション」がオープンする。運営するのは一般社団法人「紀州くちくまの未来創造機構」(浦聖治代表理事)。「口熊野」といわれる上富田を拠点に熊野を一周するサイクリングコースをアピールし、地域振興を目指す。

 機構は、大人の学びや「紀州くちくまの熱中小学校」を運営する非営利法人で、その活動とは別にサイクルツーリズムの事業に乗り出す。

 サイクリングは、健康志向の高まりもあって全国的に人気が出ている。県は県内各エリアにサイクリングコースを設定し「サイクリング王国」をアピール。国土交通省などは、和歌山市から千葉県銚子市までの沿岸約1400キロを「太平洋岸自転車道」として整備し、ナショナルサイクルルートへの指定を目指している。

 上富田の店名は「KMICH(クミッチ)」。「熊野一周」を「クマイチ」として店名に表現した。

 貸し出す自転車は、電動アシスト付きのマウンテンバイクで、SとXSサイズの計6台をそろえている。初心者・初級者向けで、1充電当たりの走行距離は約100キロ。レンタル料はヘルメットと保険料込みで、3時間2千円、1日3500円、1泊2日7500円(以上税込み)。町民は半額。オープニングセールで体験してもらおうと23~26日は2時間500円(税込み)にする。

 シャツやパンツ、手袋の貸し出し(有料)もあり「手ぶらで来て、気軽にサイクリングを楽しめる」とPRする。

 熊野一周コースは、上富田町から国道42号を南下し、新宮市から熊野川沿いを北上、田辺市本宮町から国道311号を通って上富田町に戻る延長約200キロ。機構は「海岸から回ると比較的、長い上り坂が少ない。右折はほとんどなく、危険性が少ない」と説明。上富田を発着地点にするのは、国道42号と311号の接点で、自動車道のインターチェンジや空港からも近くて便利だからだという。「琵琶湖一周(ビワイチ)」「淡路島一周(アワイチ)」と並び、関西三大サイクリングロードとして定着するように盛り上げたいという。

 20日には、町や周辺町、県などの関係者らが出席して式典を開き、テープカットをして祝った。

 今後、修理のための工具もそろえて自転車愛好者の受け入れを充実させるほか、熊野一周以外の1日で楽しめるサイクリングコースや熊野各地の見どころなども紹介する。

 事業のリーダー、瀬戸陽子さん(51)は「自然が豊かで、歴史や文化も奥深く、食や温泉を楽しめる熊野を自転車を使って巡ってもらえればと思う。特に女性にアピールしていきたい」と話す。サイクルステーションがある他の地域のほか、スポーツ合宿の誘致や大会開催などをする「南紀ウエルネスツーリズム協議会」などと連携してサイクルツーリズムを誘致したいという。

 営業時間は平日が午後2時~6時、土日曜と祝日が午前9時~午後3時。定休日は毎週火曜。予約、問い合わせは紀州くちくまの未来創造機構(0739・34・3115)へ。