和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年02月25日(火)

津波に備え救命艇設置 避難困難の白浜町富田川口

設置された津波救命艇を見学する地域住民ら(12日、和歌山県白浜町富田で)
設置された津波救命艇を見学する地域住民ら(12日、和歌山県白浜町富田で)
 和歌山県白浜町は12日、同町富田の富田川口地区に、水に浮いて避難できる「津波救命艇」1隻を設置し、除幕式典を開いた。町総務課によると、津波救命艇としては湯浅町に続いて県内2例目の導入という。

 救命艇は全長8・74メートル、幅3・53メートルで、定員は25人。1週間分の飲料水や食料、トイレ、海上保安庁に救助を求めるための通信設備などを備えている。

 同課危機管理室によると、富田川口地区には、2010年1月にできた高さ6・6メートルの津波避難タワーがあるが、東日本大震災(2011年3月)を受けて新たに示された南海トラフを震源とする巨大地震の津波想定では対応できない恐れがあることなどから、津波救命艇を導入することにした。

 大阪市の企業から1090万円で購入し、津波避難タワー横(海抜2・2メートル)に設置。住民ら約70人が参加した除幕式典があり、井澗誠町長が「南海トラフを震源とする地震は30年以内に70~80%の確率で発生すると言われている。救命艇は、どうしても高台まで避難できない方や遅れた方の対策として重要な避難先になる」とあいさつした。

 住民らは企業の担当者から救命艇について説明を受けた後、中に入るなどして見学。同地区の自主防災会(26世帯、約60人)で代表を務める足助重政さん(42)は「逃げ遅れた際に命をつなぐ最後の手段として心強い。今後、救命艇を活用した訓練もしていきたい」と話した。