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2020年08月05日(水)

インフルエンザ、肺炎のワクチン接種とアルツハイマー型認知症のリスク低下に関連性:アルツハイマー病協会国際会議2020より

AsiaNet 84907 (1194)

インフルエンザ、肺炎のワクチン接種とアルツハイマー型認知症のリスク低下に関連性:アルツハイマー病協会国際会議2020より

【シカゴ2020年7月27日PR Newswire=共同通信JBN】インフルエンザと肺炎のワクチン接種が、アルツハイマー病のリスク低下に関連しているとの新たな研究結果が、Alzheimer's Association International Conference(R)(アルツハイマー病協会国際会議(R))(https://c212.net/c/link/?t=0&l=en&o=2867701-1&h=1515648486&u=https%3A%2F%2Fwww.alz.org%2Faaic&a=Alzheimer%27s+Association+International+Conference )(AAIC(R))2020で報告された。

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AAIC 2020で報告された3つの調査研究は、以下のことを示唆している。

*少なくとも1回のインフルエンザワクチン接種は、アルツハイマー病発症率の17%低下と関連していた。より頻繁なインフルエンザワクチン接種は、さらに13%のアルツハイマー病発症率の低下と関連していた。

*65歳から75歳までに肺炎のワクチンを接種すると、個々の遺伝子次第でアルツハイマー病のリスクが最大40%低下した。

*認知症でない人が感染症にかかると死亡リスクは3倍に上がるが、認知症の人が感染症にかかると死亡リスクは6倍に上がる。

Alzheimer’s Association(アルツハイマー病協会)の最高科学責任者、Maria C. Carrillo医学博士は「COVID-19のパンデミックで、ワクチンは公衆衛生論議の最前線にある。ワクチンの効用を研究することは、ウイルスや細菌感染の予防だけでなく、長期的な健康転帰を改善する上でも重要だ」と語った。

Carrillo博士は「健康管理のためにワクチンの接種を受けていれば、アルツハイマー病やその他の認知症リスクの低下といったそれ以外の面の管理にもなるという単純な話になるかもしれない。この研究は初期段階ではあるが、公衆衛生戦略としてのワクチン接種が加齢に伴う認知症の発症リスクを低下させるのかどうかを知るには、大規模かつ多様な臨床試験でさらなる研究が必要だ」と述べた。

▽季節性インフルエンザのワクチンがアルツハイマー型認知症の発症率を下げる可能性

これまでの研究で、ワクチン接種が認知機能低下の予防因子となる可能性があることは示唆されていたが、インフルエンザワクチンとアルツハイマー病のリスクに特に焦点を当てた大規模かつ包括的な研究は行われていない。このギャップを埋めるため、テキサス大学ヘルスサイエンスセンター・ヒューストン校のマクガバン・メディカルスクールの医学生、Albert Amran氏らのチームは、大量の米医療記録データセット(n=9066)を調査した。

Amran氏らのチームは、1回のインフルエンザワクチン接種がアルツハイマー病の有病率の低下に関連しており(オッズ比0.83、p <0.0001)、インフルエンザのワクチン接種を受けている人の中でも、より頻繁に接種している人はアルツハイマー病の有病率がさらに低いことを突き止めた(オッズ比0.87、p=0.0342)。つまり、インフルエンザの予防接種を毎年受け続けている人は、アルツハイマー病のリスクがより低かった。これは、75歳から84歳までの患者のアルツハイマー病リスクを16年間にほぼ6%低下させたことになる。

研究者らは、インフルエンザワクチンとアルツハイマー病のリスクとの間の予防効果の関連性は、若年時に最初のワクチン接種を受けた人が最も強いことを発見した。例えば、60歳で初めてインフルエンザの予防接種を受けたことが確認されている人は、70歳で初めて予防接種を受けた人より効果が大きかった。

Amran氏は「われわれの研究は、非常に利用しやすく、比較的安価なインフルエンザの予防接種という治療介入を定期的に行うことで、アルツハイマー型認知症のリスクを大幅に低下させる可能性があることを示唆している。体内での作用の理由や仕組みなど、予防効果の生物学的メカニズムを探るにはさらなる研究が必要で、これはアルツハイマー病の効果的な予防療法を研究する上で重要だ」と語った。

▽肺炎ワクチンが高齢期のアルツハイマー病リスクを下げる可能性

既存のワクチンの転用は、アルツハイマー病予防の有望なアプローチかもしれない。デューク大学社会科学研究所老化生物人口学研究ユニット(BARU)准研究教授、Svetlana Ukraintseva医学博士らのチームは、65歳以上の心臓血管健康研究参加者5146人について、季節性インフルエンザの予防接種をした場合としなかった場合の肺炎球菌ワクチン接種とアルツハイマー病リスクの関連性を調査した。チームは、アルツハイマー病の既知の遺伝的危険因子であるTOMM40遺伝子内のrs2075650 G対立遺伝子も考慮に入れた。

研究者らは、性別、人種、出生コホート、教育、喫煙、G対立遺伝子数を調整した結果、65歳から75歳までに肺炎球菌ワクチン接種を受けるとアルツハイマー病の発症リスクが25-30%下がることを発見した。アルツハイマー病のリスクが最も大きく下がった(最大40%)のは、リスク遺伝子非保有者で肺炎のワクチン接種を受けた人だった。65歳から75歳までに肺炎やインフルエンザのワクチン接種を受けた人の総数とアルツハイマー病のリスク低下にも関連性はあったが、インフルエンザの予防接種だけではその効果は明白ではなかった。

Ukraintseva博士は「75歳以前の肺炎ワクチン接種は、個々の遺伝子型にもよるが、高齢期のアルツハイマー病リスクを下げる可能性がある。こうしたデータは、肺炎球菌ワクチンが、とりわけ特定のリスク遺伝子の非保有者にとって、アルツハイマー病予防の有望な個別候補となる可能性があることを示唆している」と語った。

▽感染症は認知症の人の死亡率を大幅に上げる

認知症の人は通常、ウイルス、細菌、その他の感染症など、それ以外の疾患を抱えている。感染症が認知症を悪化させ、より致命的なものにしている可能性や認知症の要因となっている可能性の有無を探る研究が増える傾向にある。

デンマークのコペンハーゲン大学病院デンマーク認知症研究センターの学生、Janet Janbek医学博士らのチームは、国民健康登録簿のデータを使用し、感染症で病院を訪れた65歳以上のデンマーク居住者(n=1496436)の死亡率を調査した。彼らは、認知症とそうした通院の両方のある人の死亡率は、どちらもない人の6.5倍高いことを突き止めた。認知症あるいは感染症関連の通院のみだった研究参加者の死亡率は、3倍高かった。通院後30日以内の死亡率が最も高かった。

研究者らはまた、認知症の人の死亡率は最初の感染症関連通院後10年間、上昇し続け、(敗血症などの重度の感染症から軽度の耳感染までを含む)全感染症の死亡率も、認知症あるいは感染症関連通院のない人に比べ高いことを突き止めた。

Janbek博士は「われわれの研究は、こうした関連性についてさらに研究を進め、感染症が認知症の人々の死亡率上昇に関係している理由、とりわけどの危険因子や生物学的メカニズムが関係しているのかを明らかにする必要があることを裏付けている。これは、認知症において感染症が果たしている役割について理解を深めるのに役立つはずだ」と語った。

Janbek博士は「われわれの研究は、医療制度だけでなく、認知症患者の親族も、感染症にかかっている認知症患者に対する意識を高め、必要な医療を受けさせる必要があることを示唆している。認知症患者は、認知症が直接の通院理由ではなく、それとは無関係な感染症のように見えたとしても、より専門的な治療が必要だ」と付言した。

▽Alzheimer's Association International Conference(アルツハイマー病協会国際会議、AAIC)について
Alzheimer's Association International Conference(AAIC)は、アルツハイマー病および他の認知症に焦点を当てた世界中の研究者の世界最大の会合である。アルツハイマー病協会の研究プログラムの一環として、AAICは認知症に関する新しい知見を生み出し、重要な共同研究コミュニティーを育成するための触媒として役立っている。
*AAIC 2020ホームページ:www.alz.org/aaic/
*AAIC 2020ニュースルーム:www.alz.org/aaic/pressroom.asp
*AAIC 2020ハッシュタグ:#AAIC20

▽Alzheimer’s Associationについて
Alzheimer’s Associationは、アルツハイマー病のケア、サポート、研究を専門とする世界的なボランティア健康組織である。われわれの使命は、グローバルな研究を加速し、リスクの低減と早期発見を推進し、質の高いケアとサポートを最大化することで、アルツハイマー病および他の全ての認知症の根絶に道を開くことである。www.alz.org を参照するか、800.272.3900に電話を。

Albert Amran, et al. Influenza Vaccination is associated with a reduced incidence of Alzheimer's Disease(Funder(s): U.S. National Institutes of Health, Christopher Sarofim Family Professorship, the CPRIT RR180012, UT Stars award)

*Svetlana Ukraintseva, PhD, et al. Repurposing of existing vaccines for personalized prevention of Alzheimer's disease: Vaccination against pneumonia may reduce AD risk depending on genotype (Funded by U.S. National Institute on Aging)

*Janet Janbek, MSc, et al. Increased short- and long-term mortality following infections in dementia: A prospective nationwide and registry-based cohort study(Funder(s): )

ソース:Alzheimer's Association

▽問い合わせ先
Alzheimer's Association Media Line
312.335.4078
media@alz.org

AAIC 2020 Press Office
aaicmedia@alz.org



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