和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2020年08月08日(土)

新しい生活様式を遊びの中で疑似体験、『リカちゃん』が担う“おもちゃの役割”とは

新発売の『リカペイでピッ! おかいものパーク』で遊ぶリカちゃん(リカちゃん公式SNS @bonjour_liccaより)
新発売の『リカペイでピッ! おかいものパーク』で遊ぶリカちゃん(リカちゃん公式SNS @bonjour_liccaより)
 1967年の誕生から50年以上愛され続けている『リカちゃん』。人形以外にも、時代に合わせて進化する住居や家電、店舗などのセットも変わらぬ人気を支えている。今夏は、キャッシュレス風決済やセルフレジを備え、よりリアルなお買い物ごっこが楽しめる新商品を発売。レジ袋代わりのショッピングバッグを付属させたリカちゃん人形や、デリバリー体験ができるスクーターも登場するなど、常に時代の最先端を行く商品展開を続けている。開発に込める想いと、おもちゃが担う役割について、同社のリカちゃん開発課・平林奈々さんに聞いた。

【写真】「ポイントでおかしGET」おこづかいは電子マネーで管理!? 手洗いにオンライン授業とSNSで発信するリカちゃん

■レジ袋有料化、電子決済、デリバリーサービス…世の中の流れを人気シリーズに反映

――お買い物遊びが楽しめるショッピングモール『リカペイでピッ! おかいものパーク』が6月に発売されました。開発されたきっかけを教えてください。

【平林】「お買い物」がテーマのショッピングモールは、以前から展開しているとても人気のシリーズです。新発売の『おかいものパーク』は、これまでの商品の良いところや子どもたちが気に入っているポイントを踏襲しつつ、より時流を意識した要素や楽しいギミックを追加しました。

――どのような部分が新たに加わったのでしょうか?

【平林】子どもに人気のトング遊びが楽しめるパンコーナーを独立させたり、セルフレジの「リカペイ」などが新しく加わりました。子どもたちはカゴにたくさん小物を入れて遊ぶのが大好きなようなので、小物も100個とたくさん入っています。

――7月には、デリバリー体験ができる『リカちゃんイーツ おとどけスクーター』も発売されました。

【平林】スクーターは“今までのリカちゃんのカテゴリーにないアイテムを”というテーマを元に考えました。共働きの世帯も増え、昔よりも子どもにとって身近で、でも子どもにとっては楽しみなデリバリーを題材に企画を立てました。

■子どもたちが「やってみたいけどできない、憧れのこと」を叶える

――コロナ禍での商品発売となりましたが、今までの商品開発と違った点はありましたか?

【平林】商品の開発には通常1年以上の時間がかかるため、両商品とも以前より開発が進んでいました。電子マネー決済やエコバックの使用も、子どもたちの間にも浸透しつつあったので、取り入れることが決まっていました。生活に取り入れる必要性が加速した今、電子決済やレジ袋の有料化、ソーシャルディスタンスやデリバリーサービスの利用など、新しい生活様式を、おうちの中で親子一緒にリカちゃんで遊びながら疑似体験したり、学んでいただければと思っております。

――家具家電やお店屋さんなど、生活全般を商品に反映させるというのは、人形遊びならではだと思います。それらを積極的に反映させてきた理由はありますか?

【平林】おままごとやごっこ遊びでは、お父さんやお母さんなど、大人のしていることの真似事をします。日常での出来事や憧れ、夢などを「リカちゃん」の遊びの中で体験できるようにとの想いを込め、商品に取り入れています。

――具体的にはどういった部分でしょう?

【平林】例えば実際の日常生活でよく目にするスーパーのセルフレジは、実際には子どもたちはやらせてもらえないことがほとんどだと思います。そんな子どもたちが日常で「やってみたいけどできない、憧れのこと」を叶えられるとよいなと思っています。

■子どもの“ときめくポイント”を大切に リアルさと安全性の両立が生むジレンマ

――発売から50年以上変わらず愛されている『リカちゃん』ですが、改めての商品コンセプトを伺えますでしょうか?

【平林】『リカちゃん』は子どもにとって等身大の存在です。子どもたちが、ときめきや夢・憧れの体験を通じて、可能性を広げ夢中になれるような「“好き”を見つけるお手伝いをしたい」という想いを込めて、商品をお届けしています。

――『リカちゃん』の人形、その他付属品の開発で最も大切にしているのはどのようなことでしょうか?

【平林】お子さまに「遊びたい!」と思ってもらえるような“ときめくポイント”を取り入れたり、自分自身が「カワイイ!」と思う気持ちや、遊び心を忘れずに、なるべく新しい要素を取り入れるようにしています。

――本物そっくりのデザインも魅力ですよね。

【平林】ごっこ遊びの中で現実世界にあるお店やお家をイメージしやすいよう、細部のデザインまでこだわり、「見たことある!」「本物みたい」と思ってもらえる商品を目指しています。『おかいものパーク』の小物も、リアルさにこだわりました。

――リアルさが魅力の商品ですが、どんなところから発想やインスピレーションを得ていますか?

【平林】子どもたちの言動や、どんなことに興味があるのか、何を話しているのか、どんなものを持っているのか気になって見てしまいますね。普段の生活でついつい観察してしまうので、失礼のないよう、怪しまれないように気を付けています(笑)。

――常に、観察して研究されているのですね。

【平林】そうですね。テレビや雑誌、最近ではインターネットなどでも、今どんなモノやコトが流行っているのか、時代の流れをキャッチし、自分も試してみるようにしています。

――商品開発上で苦労した点はありますか。

【平林】リカちゃんサイズの小物でもなるべくリアルにかわいく再現したいと思っています。でも再現性と遊びやすさ、そして何より安心して遊べる安全性の両立は難しく…毎回ジレンマを感じています。

■リカちゃんはもう1人の自分 これからも“子どもたちと一緒に”

――50年の間で、商品開発において“変えなかったこと”、逆に“変えていったこと”はありますか?

【平林】ごっこ遊び、着せ替え遊びができるお人形であることはずっと変わりません。その中で、ファッションやヘアスタイル、お店屋さんごっこのテーマ…例えば、昔はブティックやボウリング場がありましたが、今は回転寿司やフードコートがあるように、『リカちゃん』で遊んでくれている子どもたちに合わせて商品展開を変えていっています。

――“リカちゃんでんわ”のサービスも時代に合わせて変化したものの1つだと思います。人形や家具家電といった商品以外で、変化したものはありますか?

【平林】今でも“リカちゃんでんわ”のサービスは継続しておりますが、時代の流れを取り入れ、TwitterやInstagramなどのSNSを活用するようになりました。

――コロナ禍でもリカちゃんが発信する投稿を楽しみにしているユーザーも多いと思います。

【平林】こちらから情報を届けるツールも多様化しましたが、それだけでなくYouTubeなどの動画共有サービスで『リカちゃん』を発信してくれたり、大人のユーザーが素敵な写真をアップしてくれるなど、みんなが世界に『リカちゃん』を広げてくれていることを感じています。

――“日本のおもちゃ”という枠を超えていますね。日々変化する状況で、子どもたちが以前のように安心して遊べる環境にはなっていませんが、これからの時代を生きる子どもたちへ、『リカちゃん』を通して伝えていきたいことはなんでしょうか。

【平林】『リカちゃん』はお子様にとって、夢や憧れを叶えられる“もう1人の自分”だと思います。お出かけしたりお外で遊べない時間が続きますが、リカちゃん遊びの世界なら時間も空間も自由にどこへでも行くことができます。リカちゃんの世界を通じていろいろなことを自然に学び、イマジネーションを広げ、たくさんのことにチャレンジする糧としていただけたらうれしいです。

【写真】鼻セレブにカップラーメンも!100種類以上の小物が付属の『リカペイでピッ!』
【写真】リカちゃんは50年で6人のボーイフレンドが!? 初代は甘いマスクに七三分け
【写真】平成27年登場の“2代目パパ” 太眉からキッチリ整い眉毛に初代との比較画像
【写真】超“イクメン”のリカちゃんパパ、子供との入浴ショット
【写真】激レア! リカちゃんの祖母、“浩おじいちゃん”は未発売
提供:oricon news