和歌山県南紀のニュース/AGARA 紀伊民報

2019年08月20日(火)

「高校の部活と体罰」

 県の高校体育連盟が「体罰・不祥事根絶宣言」をした。(1)体罰・不祥事を起こさない(2)予見したり、現認したりしたときは直ちに止める(3)聞いたときには直ちに報告する―といった内容を盛り込み、私立を含む加盟43校、4分校の校長や顧問らが署名した▼さらに全国高体連が定めた体罰・不祥事を起こした指導者は処分確定後1年間、高体連主催の大会には出場できないというルールに加え、その場にいたのに止めに入らず懲戒処分を受けた場合は、当該部の関係者なら半年間、別の部や他校の関係者なら3カ月間、同様の扱いにする規則も設けた▼これは指導者の暴力や不祥事が横行している高校の課外活動に対する教育現場からの改革宣言であり、大いに賛同する。願わくば、これを機に長時間の練習、拘束を受けて心身の疲労に苦しむ生徒の存在にも目を向け、部活動を明るく、夢のある内容に転換してもらいたい▼そのためにはまず、勝利至上主義に陥りがちな指導者の発想の転換が必要である。課外活動は試合に勝つことだけが目的ではない。その活動によって心身ともに成長し、生きる力を身に付けることが最優先だ。そこから栄光への道が開けることは、いくつもの学校が証明している▼さらに言えば、課外活動を通じて全力を尽くす喜びを見つけた者、生涯の友に出会った者はすべて勝者である。そうした視点で生徒の自発的な活動を応援してもらいたい。(石)